摂津ビジネスサポートセンターの設立

 2021年4月6日に、摂津ビジネスサポートセンターが開設しました。(右図チラシ)

 このビジネスサポートセンターは伴走型の経営相談支援を行うもので、摂津市として中小企業支援の新たな政策となります。

 内容については、市内のサービス業、飲食業、製造業、建設業、小売・卸、代替医療、教育(塾など)、NPO、個人事業主などのビジネス相談に応じるものです。相談日は、火曜日 9:00~17:00 予約制です。

 相談は無料で、 90分/回(①10時~、②13時~、③15時~)、 何度でも相談できます。

 

 リンク【摂津ビジネスサポートセンター

Ⅰ 設立の経緯

 

 私は、2018年~2020年3月まで在籍していた関学ビジネススクール(IBA)において、レポート課題のために市内事業者を訪問していた際、新製品開発の悩みを聞いておりました。その悩みは、補助金制度云々ではなく、アイデアやマーケティングなどを欲するものです。これまでの下請けだけでなく、技術を活かして個人向けの商品を開発していたのです。ただ思うように売上につながりません。

 大企業ではコンサルティング会社等々と契約して、解決に取り組めますが、零細企業では到底、そのような資金はありません。そのため、なかなか解決策を見出せない状況でした。

 

 海外との競争激化を踏まえ、中小企業にもイノベーションが必要な時代(左図)に、それを支える公的支援が必要であることを強く認識した私は、他市の公的支援の事業例も調べ、知恵やアイデアを提供することができる伴走型経営相談支援を行うビジネスサポートセンターの設立を議会にて提言しました。

 

 2019年9月議会から、議会の都度、提言し続けるとともに、市の担当所管課と摂津市商工会とも幾度となく意見交換を行いました。私が視察した福知山市の【ビジネスサポートセンター】の事例や、【JIAM】での中小企業支援の研修の資料をまとめ、それぞれに提供しました。それらを踏まえて、スキームが練られ、実現可能なビジネスサポートセンターの計画が進みました。

 

 やや時間はかかりましたが、2021年4月6日に市の新たな経営相談支援策として、摂津ビジネスサポートセンターが開設しました。

 

Ⅱ スキームについて

 

 摂津ビジネスサポートセンターは、商工会と市が連携し、摂津市オリジナルの仕組みを作りました。それが右図になります。

 ①摂津市が商工会にセンター事業の委託(運営費)を行います。

 ②商工会がビジネスサポートセンター事業の運営を行います。

 ③センター長については、商工会が手配します。

 ④相談者においては市の委託事業ということで、商工会会員だけでなく、市内の非会員の経営者、NPO法人など業態に問わず、相談が可能となっています。起業を考えられている方も可能です。

 そして週1回(火曜日)の相談受付となっており、予約すれば何回も相談できます。これによって、新製品開発からマーケティング、販売まで、継続的な相談が可能となります。これを回数限定の既存施策と異なるもので、伴走型と言います。

 このスキームについては、他市事例を参考にして、本市独自の形を取ることとなりました 

 

 他市事例では、市が独自にビジネスサポートセンターを運営しています。但し、ノウハウがない市での運営のため、運営補助(f-bizなど)を必要とし、運営補助を依頼しない市でも事業に適した人材の確保が難しいという現状があります。

 また、運営補助を依頼した市でのビジネスサポートセンターは事業費が年間2,000万円や3,000万円という高額となっています。

 そのうえ、既存の事業支援組織である商工会(商工会議所)と連携できていなかったりと、課題も見えていました。

 

 その課題の克服を試みたのが、本市の特徴です。

 

 事業予算(左図)は約236万円です。商工会に運営を委託したことで、商工会の事務局がビジネスサポートセンターの運営(予約受付・相談業務補助)も行うことで、新規の事務員が不要となり、既存ネットワークも活用できます。また場所の市の施設なので、賃料も掛かりません。

 そして一番のキーは、センターの核となるセンター長の確保を、既存ネットワークから相応しい人を見つけ出すことができることです。それが今のセンター長になります。当然ながら毎日、相談日にすると予算も掛かるため、令和3年度は週1回として予算を抑えつつ、円滑な運営並びに事業実現に集中しました。

 

 なお、このセンター長に相応しい能力は如何なるものかも当然、議論しておりました。

 まず経営者であること。経営者でなければ、経営者である相談者に寄り添った相談ができず、また経営への理解に欠け、単なる補助金などの支援制度の紹介になりがちになってしまう恐れがあります。

 また、既存事業を踏まえて新たな提案ができる分析力・創造力を有すること、高齢の経営者が苦手なHP作成などのIT技術を有することなどです。そして実績を残すことが求められます。

 これらを有した人材を既存ネットワークで探すか、あるいは公募で求めるかが、他市事例のビジネスサポートセンターとの違いとなります。

 摂津ビジネスサポートセンターは商工会が、既存ネットワークから適した人材を見出しました。特に製造業が多い本市にとっては、製造業に有効な解決策を提言できるセンター長を迎えたことは大きな意義あるものです。

 さらに、必要により相談者に対して商工会や市の他支援事業を紹介することもできます。既存施策との連携をビジネスサポートセンターの事務を担う商工会が適切に手配することも強みです。

 

 この摂津市の仕組みは運営コストを抑えつつ、商工会と連携して行うことができるため、バランスの取れた非常に効果的なものになります。ただ、運営において課題が無いわけではありません。その点は、課題を抽出し改善に取り組みます。

 

 センター設立は、市内事業者の経営の支えになるものと確信しています。 また、その実現に取り組んできた私にとっても喜ばしいことであり、その成果に期待するものです。

 

 

 開設直前の議会でも、ビジネスサポートセンターを取り上げています。その議事録を紹介いたします。


令和3年第1回定例会代表質問 ~本会議3日目 2021年3月9日~

議事録(抜粋)

(自民党・市民の会の光好議員が会派を代表して質問。内容は会派で検討したものである。)

 

6―1 ビジネスサポートセンターについて

 

○光好議員

 6―1センターの設置については会派として推進しており、また、これまでの要望内容をしっかりと反映され、事業化されたこと高く評価致します。

 これまでの議論を踏まえ意義等は割愛し、本市独自というビジネスサポートセンターのスキームについて、どの様なものかお聞かせ下さい。

 

(略※)

 

○森山一正市長

 ビジネスサポートセンターについてでありますが、本市独自のビジネスサポートセンターの特徴は、大きく分けて2つございます。

 1つ目は、商工会と連携が密に取れる体制を構築していることでございます。2つ目は専門性の高い相談は、週一回の実施として、運営コストのバランスを図っていることでございます。

 このように専門性を持ちながら既存のネットワークを活用し1+1を3にも4にもできるような経営相談体制を構築していきたいと思います。

 

(略※)

 

○光好議員

 ビジネスサポートセンターについてですが、他には無い摂津オリジナルのセンターを構築したことを理解しました。

 本センターの特徴は商工会への委託ということですが、商工会との連携や運用についてどの様なものかお聞かせ下さい。

 

(略※)

 

○松方生活環境部長

 ビジネスサポートセンターに関しまして、商工会との連携・運用についてのご質問にお答えいたします。

 ビジネスサポートセンターと商工会との連携でございますが、隣接していることにより商工会への委託が容易となっております。また、運営を商工会に委託しているため、事業者支援の方向性が共有化でき、商工会が行っている他事業への活用が容易となります。相談事業者が既存のネットワークの活用が図りやすくなって参ります。

 一例でございますが、商工会に創業サポート相談窓口がございます。創業関連セミナーも開催しており、創業者が操業にかかる経営、財務、人材育成、販路開拓等の知識習得を目的とした創業支援を実施しております。このような創業者に関してもビジネスサポートセンターの専門的な相談をピンポイントで相談できる体制が構築できます。

 既存のネットワークを活用し、さらに効率よく充実した運用を図って参ります。

 

(略※)

 

○光好議員

 ビジネスサポートセンターについてですが、商工会の既存ネットワークや支援制度の活用など、その資源を最大限活用していることを理解しました。

 是非、この運用においては、商工会や他の中小企業支援策とも連動させ、より効果的に取り組まれることを要望致します。

 

(音声データ等より作成)

※当該質問に関係のない他の質問項目の部分は省略しています。


関連リンク

●2021年第1回定例会代表質問議事録【ビジネスサポートセンターについて