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摂津市における消防力整備の方向性について

 消防行政においては、近年の大災害の頻発、高齢化等での救急需要の増大、装備品の能力向上に伴う高価格化など、その整備には様々なニーズ対応と予算制約がかかります。

 どう将来においてそれらを克服して、整備していくべきでしょうか。市民の命を守る摂津市の消防力整備の方向性について、考察してみました。

 

 消防の目的は「火災を予防し、警戒し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もって安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資すること。」です。(消防法)

 

 摂津市の消防行政は、その目的を達成するための消防力を整備し、運営しています。

 

 消防行政においては、当然ながら予算の制約を受けます。特に近年のポンプ車や救急車両等の高価格化や施設老朽化対応、災害時の広域対応など様々な条件がある中で、時代に適した消防力整備が求められています。その時代に適した消防力整備について、どうあるべきでしょうか。本市の現状を踏まえて①~⑤項目で列挙します。

 

1.限られた消防予算の有効活用

 消防予算については、摂津市一般会計予算・消防費として、令和2年度は10億7429万円、令和元年度は12億2847万円です。そのうち職員約100名等の人件費が約8億2千万でおおよそ8割を占め、さらには施設整備費等々もあり、装備品・機資材等の費用は限定されます。現状の職員規模をしっかりと維持しつつ、限られた予算を有効活用するためには重点整備項目を設け、また費用対効果の高い広域連携などを積極的に利用する取り組みが求められます。

 

 

2.広域連携の強化

 消防業務はそもそも広域化のメリットが大きいものです。東京消防庁はまさにその一例です。本市においても周辺市との広域連携を一層進めていくことが必要です。①~③項目について説明します。

 

①消防指令業務の広域化(実施予定)

 令和6年度から豊中市、箕面市、吹田市、池田市、摂津市の5市共同の消防指令センター(リンク)が運営される予定です。この取り組みは本市とって指令業務員の削減、施設整備費の削減につながり、かつ最新設備での迅速な通信業務が可能となります。しっかりと推進していかなければなりません。

 

②資機材の連携活動(未実施)

 現在は未実施ですが、資機材においても広域の連携活動を行うことは適切です。その例として、はしご車等の連携活動が挙げられます。具体例としては、箕面市と豊中市とのはしご車の連携です。これは、豊中市のはしご車を箕面市が点検等の経費の一部を負担し、有事には駆けつけてもらうもので、両市の消防連携の強化を図りながら消防機材を有効活用し、効率的な消防運営及び施設整備費の軽減を図るものです。箕面市負担は3,952千円となっています。

 本市においても今後、約2億円の購入費用がかかるはしご車の更新には、この事例を参考にすべきです。これは府道「十三高槻線正雀校区」の完成に伴い、吹田市との交通ネットワークが強化されることで実現の可能性は高くなるでしょう。その他の装備についても連携活動を検討することが求められます。

 

③広域災害への連携(継続中)

 大災害の頻発に伴い、広域における緊急消防援助隊は本市でも派遣されています。よって、その派遣準備態勢の確保が必要とされ、援助隊に必要な資機材や消防指揮車の更新なども適切に行っていかなければなりません。

 

 

3.火災対応から、救急体制の強化・維持へ

 

①救急出動件数の高止まり(継続中)

 近年の出動件数の傾向は、救急件数の増加と火災件数の減少です。令和2年の火災出動件数は29件、救急出動件数は4,755件、令和元年では火災は31件、救急は5,097件です。これを踏まえ一定の火災対応力を確保しつつも救急体制の強化が求められます。現在は、令和元年11月より専任救急隊1隊を増設、千里丘出張所に救急車を配備して、専任救急隊2隊と兼任救急隊2隊での運用していますが、将来の動向も踏まえ、更なる強化も検討しなければなりません。

 

②救急車の能力向上と高価格化への対応(継続中)

 H30年度に高規格救急自動車を1台更新しています。(一般的には高規格救急自動車は2,000~4,000万円)市民の命を守る救急車の能力向上は必要です。必然的に高価格化しているのが現状ですが、救急車に関しては優先的に予算配分すべきです。

 

4.施設の効率的配置

 消防施設は現状、市内北部の千里丘出張所、中心部の消防署、南部での味生出張所と鳥飼出張所の4か所です。そのうち昭和50年竣工の千里丘出張所は老朽化対応兼ねて耐震改修工事が令和元年度に行われました。

 今後は、昭和52年竣工の鳥飼出張所や昭和63年竣工の味生出張所もそう遠くない時期に整備が求められます。

 今、河川防災ステーションの鳥飼への整備の事業案が検討されています。淀川氾濫時には水没する鳥飼・味生出張所の両出張所を河川防災ステーション上に集約して、機能強化された(仮称)南分署として新設することが適切と考えます。この南分署に女性消防士の勤務可能な設備も整え、氾濫時の重要な消防拠点となる規模を確保し、またレスキュー隊訓練施設を併設するなどの施設の充実を図ることが可能です。まだしばらくは先にはなりますが。

 

5.消防団との連携及び消防団の能力強化

 消防団は、地域防災力として大きな力を発揮します。令和2年4月1日で基本団員が333名、機能別分団員が60名、合計393名から成る消防団の能力向上を継続的に図ることによって、火災対応、災害対応など様々な場面で消防本部と連携して市民の命を守ることが可能となります。その能力向上、マニュアルの作成の実現、保安帽の配布、分団へのゴムボート購入費用補助などを踏まえ、さらに図っていきます。

 

以上、実行中のもの、私の考える望ましいものを組み合わせた1~5について述べました。この方向性により、将来においても市民の命を守る持続可能な消防力ができるものと考えます。

 

 

しっかりと具体化するよう取り組んで参ります。