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摂津市の学力向上への改善状況についてR3年度

 

Ⅰ 概 要 

 摂津市の小中学校における学力課題はかねてから議会で議論が行われているが、令和3年の全国学力・学習状況調査を踏まえ、児童・生徒の学力は年々改善してきている。

 その分析や、今後の更なる取り組みについて取り上げる。

 

 


Ⅱ R3年度の全国学力・学習状況調査について

 

 令和3年度の全国学力・学習状況調査(下表)の本市結果は、平成27年に比べ大きく改善しています。具体的には、小学校国語、中学校数学においては過去最高、小学校算数、中学校国語では、過去2番目の結果となりました。

 令和3年度 全国学力・学習状況調査 調査結果(公立小中学校)

 ただ、未だに全国平均に達していないのが現状です。

 更なる取り組みが求められるのです。

 

 


Ⅲ 学力向上の要因について 

 

 令和3年の学力向上についてなぜ伸びたのか、それを分析することが大切です。

 その要因として教育委員会が挙げているのが、以下の大きく3点です。

1.校長の指導のもと学校全体で授業研究を中心とした学力向上の取り組みを進めてきた。

2.コロナ禍であっても、できる限り学びの保障を行ってきた。

3.教育委員会として各学校へ重点的に取り組む内容を「めざす学校の姿」とし、「キャリア教育」や「魅力ある学校づくり」に取り組んだ。それらが、子どもたちの意欲向上につながり、成果として見られた。

 そのことについては右図の教育委員会のイメージポスターで示されています。

 

 これらについてはR3年第3回定例会の私の一般質問で答弁しています。しっかりと教育委員会がリーダーシップを発揮して各施策に取り組んできた結果と言えます。

 

 


Ⅳ 更なる取り組みへ

 私は子ども達のやる気スイッチの施策などの教育施策を議会で提言してきました。

 

 教育委員会もそれを受けてキャリア教育推進委員会を立ち上げるなど取り組みました。

 

 しかし、まだ全国平均に達していない状況であり、キャリア教育推進は勿論のこと、下記の1~3の更なる取り組みを提言しています。(2021年第3回定例会などより)

 

1.家庭学習の推進・・・授業外での学習時間の向上と環境の提供(学習時間増が必要)

2.読書活動の推進・・・読書時間の向上、学校の朝読の推進(読書と成績に関連あり)

3.就学前教育の推進・・小1プロブレムの解決、保幼こ小の連携促進(学力基盤力を養う。)

 

 学力向上は学校だけでなく家庭も含め、総合的に取り組んでいかなければなりません。

 

 


Ⅴ 2021年第3回定例会の議事録について

 

 2021年第3回定例会にて学力向上に関する一般質問を行いました。Ⅱ~Ⅳの内容についてやり取りを行ったものです。

 

令和3年第3回定例会一般質問 ~本会議2日目 令和3年10月29日~

議事録(抜粋)

 

2 学力向上等への教育政策について

 

○松本議員

 次に学力向上等への教育政策についてですが、学力向上に関しては本市の長年の課題です。最新の全国学力・学習状況調査の結果を踏まえ、これまでの取組みについてお聞かせください。

(略※)

 

○南野議長

 教育総務部長

 

○小林教育総務部長

 「学力向上に関わるこれまでの取り組みについて」のご質問にお答えいたします。

 令和3年度の全国学力・学習状況調査の本市の結果は、対全国比で申し上げますと、小学校国語、中学校数学においては過去最高、小学校算数、中学校国語では、過去2番目の結果となり、小学校国語では、全国平均に並ぶなど、以前に比べ大きく改善をいたしました。また、質問紙の結果からも、課題であった「家庭学習の時間」や「地域や社会への関わりを考える」ことについても改善している結果となりました。

 このように、成果が見られてきたのも、校長の指導のもと学校全体で授業研究を中心とした学力向上の取り組みを進めてきたこと、コロナ禍であっても、できる限り学びの保障を行ってきたことなどが要因だと考えられます。

 加えて、教育委員会として各学校へ進むべき方向性を示し、重点的に取り組む内容を「めざす学校の姿」として焦点化したことで、市全体として「キャリア教育」や「魅力ある学校づくり」に取り組んだことが、子どもたちの意欲向上につながり、成果として見られるようになったのではないかと捉えております。

(略※)

 

○松本議員

 次に学力向上等への教育政策についてですが、教育委員会として政策の方向性をしっかりと定め、着実に進めることで、学力等が伸びているものと理解を致しました。

 やる気スイッチ・学習意欲向上につながるキャリア教育など、しっかりと継続されるよう要望致します。

 そのうえで、学力向上には、就学前教育も重要です。前回の一般質問でもありましたアンケート調査について、その結果を踏まえた見解についてお聞かせください。

 

○南野議長

 次世代育成部長

 

○橋本次世代育成部長

 アンケート実施についてお答えいたします。小学校教職員と市内公私立の就学前施設職員を対象に、保育所・幼稚園から小学校への入学の接続期に関する質問を中心にしたアンケートを今年夏に実施いたしました。

 集計した中で、「入学までに身に付けておきたいこと・就学までに育てておきたい力」等の質問につきましては、小学校・就学前施設双方共通して、「人の話を聞く」、「自己肯定感」、「コミュニケーション能力」、「集中力・忍耐力」等の、非認知能力の育成に関する項目を選択した割合が高く、その他にも、「入学までに自分のことは自分でする習慣を身に付けてほしい」と考えている回答の割合も非常に高くなっております。

 また、「5歳児や1年生の課題と感じる事」という質問につきましては、先ほどの非認知能力の育成に加え、「授業中心の椅子に座って過ごす生活への適応」や、「身の回りの準備・整理整頓」という項目にも高い回答の割合がみられますが、「語彙の少なさ」に関しては、小学校の方が課題と捉えている割合が高く、言葉の育ちへの認識の相違も見られます。

 今後、アンケートの結果をまとめ、国が進めます「幼児教育スタートプラン」、「幼保小架け橋プログラム」等にも注視しながら、本市の就学前教育の充実に取り組みの検討を進めて参ります。

 

○南野議長

 松本議員。

 

○松本議員

 アンケート調査の結果など理解しました。

 本市就学前教育の課題の見える化に一歩進んだと考えます。自己肯定感の低さは小中学校の課題でもあり、また語彙の少なさというところも、気になります。アンケート調査結果の情報公開も行い、就学前施設と小学校との情報共有を図りつつ聞き取りなどを行い、課題解決へ焦点を当てて取り組まれるよう要望致します。

 また就学前教育には、親学習、親へのアプローチも必要です。非認知能力向上などには、家庭での子育て環境が重要ですが、核家族、共働き等でより良い子育て環境について学び、知る余裕がない保護者が多いと感じております。

 その為、ある子ども園では参観日を活用して、保護者に対して、子育てに係わる講演を行うなど工夫をしている所もあります。

 そして親学習は児童虐待防止の地域共育のネットワーク強化にもつながります。この事も取り組まれるよう要望致します。

 さて今、支援を要する子ども達が増加しております。本市の全ての子ども達に力をつけるために、支援や配慮を要する子ども達に対する支援教育の充実も重要です。これまでの取組みについてお聞かせください。

 

○南野議長

 教育総務部長

 

○小林教育総務部長

 平成28年4月から、障害者差別解消法により障害のある方への「合理的配慮」の提供が義務化されました。学校においても、子どもたちへの支援は重要な課題であり、きめ細かな対応が求められています。

 支援学級では、種別に応じて8人の児童生徒に対し1人の教員を配置し、支援に努めていますが、支援や配慮を要する子どもは通常の学級にも在籍しております。そこで、これまで本市においては、どの子どもにとってもわかりやすい授業を実践するため、学習のめあてを明示して見通しを持って授業が受けられるようにしたり、ICT機器を活用して視覚的にわかりやすい説明をしたりといった工夫をしてまいりました。

 今後は、集団指導の中で、支援が必要な子ども一人ひとりの状況に合わせて適切な支援を行うことができるよう、教員の指導力向上を図る必要があると考えております。

 本市の支援学級在籍の児童生徒数は、全国同様増加傾向にあります。その分、教員が支援を要する子どもと関わる機会も増えていきます。支援教育を、支援学級担任のみが行うものではなく、全ての教員が行うべきものとして、本市の子どもたちが必要な力をつけることができるよう教員の指導力向上を図り、引き続き支援教育の充実に取り組んで参ります。

 

○南野議長

 松本議員。

 

○松本議員

 様々な要因で、本市の支援を要する子ども達が増えている中で、全ての教員がその子ども達に指導ができる。その取組みを是非、進められるよう要望致します。

 教員の指導力向上と合わせ、子ども達の心情の機微を把握するために、子ども達とのコミュニケーションを取る時間、余裕を持たせることが必要となります。35人学級も含め、教員をサポートする体制をしっかりと整えるよう要望致します。

総合的に取組み、子ども達がしっかりと生きる力を育むことが、結果として学力向上につながるものと考えます。

 

  (以上)

(音声データ等より作成)

※当該質問に関係のない他の質問項目の部分は省略しています。

 

 一般質問においては、学力向上も含め、それに関わる就学前教育や支援教育についても言及しました。総合的な取り組みが本市の児童・生徒の学力向上には欠かせません。しっかりと教育委員会の認識を問う内容となりました。

 

 


Ⅵ 最後に

 

 まだまだ課題多き本市の現状。

 

 さらなる取り組みで学力向上へ向けて課題解決を進めて参ります。

 

 しっかりと議会から提言を行い、学力も含め将来を担う子ども達の生きる力を育んで参ります

 

 子ども達が夢を実現できる力を養うことは、格差社会を克服し、社会を豊かにします。そのための環境をしっかりと摂津市で築いて参ります。

 

 


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