ブログ内項目
Ⅰ はじめに
Ⅱ スマホ育児とは?
Ⅲ 子供たちのスマホ依存度の現状は?
Ⅳ ICT教育の弊害は?
Ⅴ 議事録
Ⅵ まとめ
Ⅶ 関連リンク
追記
① 2025年6月25日:スマホ認知症について
② 2025年7月16日:議会議事録「子どものスマホ・タブレット端末等依存対策と愛着形成について」
③ 2026年1月5日:議会議事録「ICT教育は学力向上に寄与していない」ことについて
④ 2026年3月27日:議会議事録「保護者等を巻き込むこと等について」
Ⅰ はじめに
子ども達のスマートフォン・タブレット端末の過剰使用によって、いわゆるスマホ依存となり、勉学やコミュニケーション力、運動力などを養う機会損失が生じている。
その結果は学力格差だけでなく生きる力にも差が生じ、成人して以降の成功格差の要因となり貧富の格差が更に広がるものと懸念される。
スマホ育児のように早ければ0歳児から接するがために大きな問題と捉えるものである。
子ども達は環境を選べず、大人が責任もって適切な環境を提供しなければならない。
議会において教育委員会にスマホ依存対策について質疑を行った。
Ⅱ スマホ育児とは?
近年、ベビーカーに乗った幼児がスマホ等を見ている光景はよく目にします。
子育て世帯では育児においてスマートフォンが様々に活用されているのは言うまでもありません。
このスマホ育児についてはメリット、デメリットが様々に指摘されていますが、教育委員会としての認識はどうであるか、議会にて確認を行った。
その内容は以下の通りです。
スマホ育児における、
◎スマホ育児とは?
①いわゆる「スマホ育児」については、現在、定義はない。
②子どもにおとなしくしてほしい時、親が何か用事をしたい時など、子どもにスマートフォンやタブレット端末持たせて映像などを見せたり操作させたりすること、またそれらをしつけ等に使用することなどを言う事と認識する。
◎メリット
知育教材や学習アプリの活用が考えられる。
◎デメリット
①子どもにスマートフォンを長時間与えてしまうことで、目や首に負担がかかり、視力低下や姿勢が悪くなる恐れがある。
②悪質なコンテンツに入ってしまうこと。
③将来的なスマホ依存症に繋がる可能性があること
◎WHO(世界保健機構)・平成31年小児の健康な成長に関するガイドライン
①1歳児ではスマートフォンなどのデジタルデバイスの視聴は推奨されないこと。
②2~4歳までのデジタルデバイスの視聴時間は1日1時間未満であること
を提言しております。
◎国内
具体的なガイドライン等は無い。
◎教育委員会の姿勢
母子保健といたしましては、子どもの心身の健やかな成長という観点から、親子のスキンシップやコミュニケーション、外遊びなどによる体力づくりなどを推奨し、指導しております。
(以上)
上記を踏まえ基本的に、スマホ育児はデメリットがメリットを上回る認識であると捉えるべきでしょう。
スマホ依存の芽が、このスマホ育児で生じる危険性を有しています。
全く使わない、という事は難しい場合でも、そのデメリットを踏まえ、使用は最小限に留めるべきでしょう。
議会において、スマホ育児への注意喚起等の啓発活動を行うよう要望しています。
他市事例:鉾田市「【子育てコラム】~乳幼児のスマホ利用に気をつけて~」(右写真)
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(略)乳児用のコンテンツや育児アプリがさらに充実することにより、育児とスマートフォンとの関わりは益々密接になりつつある。乳幼児がスマートフォン等のデジタル機器に接触する場面も増加し、育児にも各種 ICTを活用する機会が増えることにより、育児そのものの形態に変化が生じてきた。その一方で、乳児期からデジタル機器に接触することへの親の懸念も益々膨らんできている。(略)
年収1000 万以上の世帯の乳幼児はスマートフォンに触れている率が有意に低い。また、「どの情報機器にも触らせていない」の回答比率と年収も有意な関連があり、年収が高いほど「触らせていない」という傾向が見られる。(略)
育児ストレスへの対処としてスマートフォン使用頻度が増え、結果的に母親のスマートフォン依存傾向が高まり、それに応じて子供のスマートフォン使用頻度が高まるため、子供のスマートフォン依存傾向が高まる、または、親の情報機器使用への寛容性を要因として子供のスマートフォン依存傾向が高まるという関連性が考えられる。(略)
Ⅲ 子ども達のスマホ依存度の現状は?
近年、小中学校においても子ども達のスマートフォン依存が高まっていると感じています。
そこで本市の子ども達のスマホ使用の現状はどのようなものか、確認を行いました。
合わせて、デメリットをどう認識しているのか?またその対策はどうしているのかも議会にて質疑しました。
その内容は以下の通りです。
子ども達のスマホ依存の現状と対策等について、
◎現状
①近年、スマートフォン等の普及により、子どもたちのスマートフォン使用時間は増加しており、スマートフォンが常に傍にないと落ち着かないと言う子どもたちも少なからずいる。
②令和6年度全国学力・学習状況調査の調査結果によると、
〇スマートフォンを使って1日あたり1時間以上SNSや動画視聴している本市の小学生が59.6%、中学3年生では86.3%、
3時間以上の小学生6年生が28.2%、中学3年生は43.3%。いずれも全国や大阪府に比べ上回っている。
〇スマートフォンを含めたテレビゲームを1日あたり1時間以上している小学校6年生が79.7%、中学3年生では76.1%、
3時間以上の小学6年生が40.8%、中学3年生は37.7%。この割合も全国や大阪府に比べて多い。
◎スマートフォン長時間使用のデメリット
①相対的に学習や睡眠に充てる時間が短くなる。
②夜間にブルーライトを浴びることにより睡眠の質の低下につながる。
③①と②により、大人に比べ、脳が発達の過程にある子どもについては、学習や健康により悪影響を及ぼすとされる。
④家族や友人との対話でのコミュニケーションの機会が減少し、社会性やコミュニケーション能力の発達に影響を与える。
⑤SNSでのトラブルやネットいじめなどに繋がる可能性がある。
◎教育委員会のスマートフォン依存対策
①スマートフォンを適切に利用することが重要。
②学校においては、自己管理能力が育むことを目的に、情報モラル教材などを活用し、情報モラル教育を推進。
③各家庭に対しては、全国学力・学習状況調査などから分かる現状を伝え、各家庭でスマートフォンの使用について改めて考えるきっかけとなるよう啓発している。
(以上)
上記を踏まえ、本市の児童・生徒のスマホ依存は高いと認識できます。
特に中学3年生においては、4割の子ども達がスマホ使用が1日3時間以上という現状です。帰宅して食事と寝る時間以外はスマホ使用という子どもがいる事も容易に予想できます。
デメリットの内容も踏まえ、明確に学力やコミュニケーション力といった生きる力の育成を阻害しているでしょう。
私たちは危機感を持つべきです。
教育委員会が実施している情報モラル教育といったスマホ依存対策だけでなく、私はスマホ依存対策はルール作りなど子ども達自身に考えさせる事も重要であると提言しています。
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◎日本の小学生のスマホ所持率が、貧困層と富裕層の両方で高い理由
ニューズウィーク日本版 舞田敏彦(教育社会学者) 2021年1月13日
(略)低学年のスマホ利用層は、貧困層と富裕層に割れているようだ。
経済的に余裕のない家庭では「スマホ育児」が多い、という話を聞いたことがある。子どもに構う時間的・精神的余裕がなく、スマホを持たせてひとまず大人しくさせる。富裕層の用途はこれとは違う。やや乱暴な言い方だが、子どもを手っ取り早く黙らせるために持たせるか、子どもの能力を伸ばすために持たせるか、という違いが階層間であるのかもしれない。(略)
早いうちからスマホに慣れさせることは、未来社会を生き抜く力の素地を養う上で有益だが、ゲームへののめり込みや有害情報との接触など、負の側面も併せ持っている。後者が、恵まれない家庭の子どもに集中するとしたら一大事だ。健康や勉学にも悪影響が及び、家庭間での「育ちの格差」が拡大することになる。用途について管理・監督するよう、保護者の意識の啓発が求められる。(略)
Ⅳ ICT教育の弊害は?
私は現状のICT教育の推進には懐疑的です。
IT先進国として知られるスウェーデンでは生徒の読解力が低下していることを踏まえ、昨年からタブレット等の利用時間は削減され、本を読む時間や手書きの練習に重点が置かれています。
また、脳科学者の川島隆太東北大学教授の仙台市の学校での研究事例でも電子端末での作業は脳が活性化しないことが発表されています。
そして本市の学校でも、タブレット端末で授業とは全く違うことをしていたり、退屈しのぎの操作をする等、授業に集中できていない児童・生徒がいることを見聞しています。実際、市の学力も伸び悩んでいます。【令和6年度 全国学力・学習状況調査 調査結果 摂津市教育委員会】
そこで教育委員会にICT教育の認識ついて議会で質疑しました。
その内容は以下の通りです。
ICT教育について、
◎ICT教育のメリット等
①学校の授業では、インターネットを活用した調べ学習や、自分の考えを説明するプレゼンテーションを行う場面などで1人1台端末を日常的に活用できるようになる。
②令和6年度全国学力・学習状況調査において、「授業でICT機器をほぼ毎日活用している」と回答した割合は、小中学校いずれも全国に高い値となっている。
➂ICTを活用することで教育の質の向上に努め、児童生徒1人ひとりの可能性を最大限に引き出して参る。
◎タブレット端末の活用におけるデメリット
①インターネットを用いて簡単に検索できるため、考えることなく調べてしまうことに繋がるなど、活用の方法によっては想像力や思考力を十分につけることができないことが懸念される。
②デジタル教材のみに頼ることや、手書きの回数が減るなどにより学習内容の定着に影響を及ぼす可能性がある。
(以上)
上記を踏まえ、タブレット端末の使用に関してはメリハリをつける必要があると提言しています。
「脳や神経系が未発達である小学校低学年では体験的活動を重視すべきです。スマホとタブレット端末の濫用は思考力を養いません。そのうえ様々な体験的な学びやコミュニケーション力向上の機会損失も発生し、生きる力を育むことを阻害しかねないものです。
家ではスマホ、学校ではタブレット端末と一日中電子端末漬けとならぬよう、教育委員会としてタブレット端末活用についてのガイドラインの策定を要望致します。」という内容です。
教育委員会は適切にタブレット端末を使用している授業があると言っています。それと同時にその使用が適切か??という授業があることも認識しています。
教師間で差が生じています。
どの子ども達も授業において適切なタブレット端末使用で、創造力や思考力を養えるよう特段の配慮が求められます。それを担保できるようタブレット端末使用におけるガイドライン策定を要望しています。このガイドラインは学校・教師向けです。むやみやたらのタブレット端末使用を制限し、創造力を育てるためにしっかりと工夫して行えるようにするものです。
Ⅴ 議事録
上記Ⅱ~Ⅳについての議会質疑の議事録です。
令和6年第4回定例会一般質問
~本会議3日目・令和6年12月20日~ 議事録(抜粋)
7 子どものスマホ依存対策について
(1)スマホ育児について
【質疑概要】
現在は定義が無い「スマホ育児」について、市がどう認識しているのかを確認するとともに、そのメリット・デメリットについても確認した。スマホ育児は将来的なスマホ依存症に繋がる可能性があるなど、デメリットは無視できないもので懸念すべきものであり、保護者への啓発活動を行うよう提言した。
詳細は下記の通り。
○松本議員
7 子どものスマホ依存対策、①スマホ育児について、近年、スマホ育児というものが一般化されてきていると感じます。そこで市としてスマホ育児の現状をどう認識しているかお聞かせ下さい。
(略※)
○三好議長
こども家庭部長
○こども家庭部長
スマホ育児の現状認識についてのご質問にお答えいたします。
いわゆる「スマホ育児」については、現在、定義がございませんが、子どもにおとなしくしてほしい時、親が何か用事をしたい時など、子どもにスマートフォンやタブレット端末持たせて映像などを見せたり操作させたりすること、またそれらをしつけ等に使用することなどを言う事と認識しております。
令和3年度の総務省「情報通信白書」によると、子育て世代の年齢に相当する人のスマートフォン等の利用率については、18歳~29歳で98.7%、30歳~39歳で98.8%、40歳~49歳で96.2%と、100%に近い割合であるという報告があり、おそらく、多くの親御さんが子どもに対して、何らかの形でスマートフォン等を利活用しているものと推測致しております。
(略※)
○松本議員
次に、スマホ育児について、市の認識は理解しました。
ベビーカーに乗った幼児がスマホ等を見ている光景はよく目にします。
このスマホ育児についてはメリット、デメリットが様々に指摘されていますが、市としてはどう認識しているのかお聞かせ下さい。
○三好議長
こども家庭部長
○こども家庭部長
スマートフォン等を育児に活用するメリットと致しましては、知育教材や学習アプリの活用が考えられます。
また、デメリットとしては、子どもにスマートフォンを長時間与えてしまうことで、目や首に負担がかかり、視力低下や姿勢が悪くなる恐れがあることや、悪質なコンテンツに入ってしまうこと、将来的なスマホ依存症に繋がる可能性があることなどが云われております。
平成31年、WHO(世界保健機構)は小児の健康な成長に関するガイドラインを発表し、1歳児ではスマートフォンなどのデジタルデバイスの視聴は推奨されないこと、また、2~4歳までのデジタルデバイスの視聴時間は1日1時間未満であることを提言しておりますが、国内においては、具体的なガイドライン等は無い状況にございます。
今後もスマートフォン等の乳幼児への利活用については賛否両論、議論がなされると思われます。母子保健といたしましては、子どもの心身の健やかな成長という観点から、親子のスキンシップやコミュニケーション、外遊びなどによる体力づくりなどを推奨し、指導しております。
○三好議長
松本議員。
○松本議員
スマホ育児についてはデメリットを指摘する意見が多いと認識しています。親子のスキンシップ等の機会損失は重大です。そしてデメリットを知らない家庭ほど、スマホ育児に偏りがちになっている現状があろうかと思います。
かといってスマホ育児を止めなさい、というのも難しいところがあります。その事を踏まえ、私はスマホ育児の特にデメリットを保護者が適切に把握することがまずは大切と考えます。
是非とも、スマホ育児における啓発活動を検討し行うよう要望致します。
(以上)
(音声データ等より作成)
重要と思われる部分には強調を入れています。
※当該質問に関係のない他の質問項目の部分は省略しています。
(2) 児童・生徒のスマホ依存について
【質疑概要】
摂津市の児童・生徒のスマホ使用状況を確認し、全国・大阪府よりも依存度が高い現状があること、また成長過程への悪影響があることなどを質疑した。そしてスマホ依存対策を進めるよう、特に子ども達自身に考えさせるよう提言した。
詳細は下記の通り。
○松本議員
7-2児童・生徒のスマホ依存対策について、近年、子ども達のスマートフォン依存が高まっていると感じています。まずは本市子ども達のスマホ使用の現状はどのようなものかお聞かせ下さい。
(略※)
○三好議長
教育総務部長
○教育総務部長
子どもたちのスマートフォン依存の現状についてのご質問にお答えいたします。
近年、スマートフォン等の普及により、子どもたちのスマートフォン使用時間は増加しており、スマートフォンが常に傍にないと落ち着かないと言う子どもたちも少なからずおります。
令和6年度全国学力・学習状況調査児童生徒質問紙によりますと、スマートフォンを使って1日あたり1時間以上SNSや動画視聴している本市の小学生が59.6%、中学3年生では86.3%、3時間以上の小学生6年生が28.2%、中学3年生は43.3%になっており、いずれも全国や大阪府に比べ上回っております。
また、スマートフォンを含めたテレビゲームを1日あたり1時間以上している小学校6年生が79.7%、中学3年生では76.1%であり、3時間以上の小学6年生が40.8%、中学3年生は37.7%となっており、この割合も全国や大阪府に比べて多い状況でございます。
(略※)
○松本議員
次に、児童・生徒のスマホ依存対策について、本市子ども達のスマホ使用時間は全国に比べ多い現状は理解しました。
スマホ育児でのデメリットは先ほど質疑しましたが、児童・生徒においてもスマホ使用でのデメリットは当然あります。多くの研究でスマホの長期使用は睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、そして依存になることを指摘しており大変懸念しております。スマホの長期使用のデメリットについて市はどう認識しているのかお聞かせ下さい。
○三好議長
教育総務部長
○教育総務部長
スマートフォンの使用時間が長くなると、相対的に学習や睡眠に充てる時間が短くなるだけでなく、夜間にブルーライトを浴びることにより睡眠の質の低下につながり、とりわけ、大人に比べ、脳が発達の過程にある子どもについては、学習や健康により悪影響を及ぼすとされております。
また、家族や友人との対話でのコミュニケーションの機会が減少し、社会性やコミュニケーション能力の発達に影響を与えることが考えられ、SNSでのトラブルやネットいじめなどに繋がる可能性が懸念されます。
○三好議長
松本議員。
○松本議員
デメリットについて認識しました。
加えてスマホにはSNS問題もあります。SNSを使用するほど自己肯定感が低下し、あるいは先ほどありましたいじめ問題、犯罪に巻き込まれることも多々発生しています。その懸念は世界共通であり、オーストラリアでは16歳未満のSNS禁止法案が先月可決されています。
これらのデメリットをしっかりと児童・生徒、そして保護者が認識するなどスマホ依存対策を講じる必要がありますが、学校におけるスマホ依存対策の取り組みをお聞かせ下さい。
○三好議長
教育総務部長
○教育総務部長
スマートフォンを使用してのゲームやSNS、動画視聴時間についても年々増加傾向にあり、学習面や健康面での影響を踏まえ、スマートフォンを適切に利用することが重要であると捉えております。
学校においては、自己管理能力が育むことを目的に、情報モラル教材などを活用し、情報モラル教育を推進しております。
また、各家庭に対しては、全国学力・学習状況調査などから分かる現状をお伝えするとともに、各家庭でスマートフォンの使用について改めて考えるきっかけとなるよう啓発に努めております。
○三好議長
松本議員。
○松本議員
現状の取り組みは理解しました。
スマホ依存対策はルール作りなど子ども達自身に考えさせる事も重要かと思います。その点も是非検討し実施して頂きたいと思います。これについては要望と致します。
(以上)
(音声データ等より作成)
重要と思われる部分には強調を入れています。
※当該質問に関係のない他の質問項目の部分は省略しています。
(3) ICT教育の弊害について
【質疑概要】
GIGAスクール構想に基づき、小中学校では1人1台のタブレット端末が配布されている。その現状と教育委員会がどう認識しているのかを確認するとともに、教師のタブレット端末活用の偏重を警告し、教育委員会として使用のガイドライン策定を提言した。
また、相対的な読書活動の低下への対策も質疑するとともに、最後は教育長に総括的に見解を求めた。教育長は子ども達のスマホ依存はむしろの大人の問題でもあり、バランスの取れた姿勢を示していくことの大切さを述べた。
詳細は以下の通り。
○松本議員
7-3 ICT教育の弊害について、まず学校での1人1台のタブレット端末使用状況についてお聞かせ下さい。(略※)
○三好議長
教育総務部長
○教育総務部長
1人1台端末の活用状況についてのご質問にお答えいたします。
全ての子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びと協同的な学びを実現するGIGAスクール構想に基づき、全児童生徒に1人1台端末を整備し、ICT教育の推進に取り組んで参りました。
学校の授業では、インターネットを活用した調べ学習や、自分の考えを説明するプレゼンテーションを行う場面などで1人1台端末を日常的に活用できるようになるなど、利活用は進んでいると捉えており、令和6年度全国学力・学習状況調査において、「授業でICT機器をほぼ毎日活用している」と回答した割合は、小中学校いずれも全国に高い値となっております。
引き続き、ICTを活用することで教育の質の向上に努め、児童生徒1人ひとりの可能性を最大限に引き出して参ります。
(略※)
○松本議員
次に、ICT教育の弊害について、タブレット端末を有意義に活用しているものと理解しました。
しかし一方で、IT先進国として知られるスウェーデンでは生徒の読解力が低下していることを踏まえ、昨年からタブレット等の利用時間は削減され、本を読む時間や手書きの練習に重点が置かれ、また、脳科学者の川島隆太東北大学教授の仙台市の学校での研究事例でも電子端末での作業は脳が活性化しないことが発表されています。
また、本市の学校でも、タブレット端末で授業とは全く違うことをしていたり、退屈しのぎの操作をする等、授業に集中できていない児童・生徒がいるとお聞きしています。実際、市の学力も伸び悩んでいるかと思います。
これらを踏まえて、タブレット端末使用のデメリットが明らかになってきていますが、市はどう認識しているのかお聞かせ下さい。
○三好議長
教育総務部長
○教育総務部長
タブレット端末の活用におけるデメリットについては、インターネットを用いて簡単に検索できるため、考えることなく調べてしまうことに繋がるなど、活用の方法によっては想像力や思考力を十分につけることができないことが懸念されます。
また、デジタル教材のみに頼ることや、手書きの回数が減るなどにより学習内容の定着に影響を及ぼす可能性がございます。
教育活動の様々な場面において、タブレット端末を活用することのメリット・デメリットを教員自身が考え、効果的に活用することが大切であることを踏まえ、具体的な活用方法について助言するなど、子ども達にとってより良い学びとなるよう取り組んでおります。
○三好議長
松本議員。
○松本議員
タブレット端末の使用に関してはメリハリをつける必要があるかと思います。とりわけ、脳や神経系が未発達である小学校低学年では体験的活動を重視すべきです。
スマホとタブレット端末の濫用は思考力を養いません。そのうえ様々な体験的な学びやコミュニケーション力向上の機会損失も発生し、生きる力を育むことを阻害しかねないものです。
家ではスマホ、学校ではタブレット端末と一日中電子端末漬けとならぬよう、教育委員会としてタブレット端末活用についてのガイドラインの策定を要望致します。
また、創造力や語彙力を高める読書活動の重要性はこれまで幾度も議論してまいりました。しかしながらスマホ等の長期使用で読書活動が低下する傾向にあります。この対応についてどうお考えかお聞かせ下さい。
○三好議長
教育総務部長
○教育総務部長
読書活動は、子どもたちの豊かな情操や学力向上、さらには豊かな人間性を育むうえで非常に大切なものと捉えております。
スマートフォンの長時間の使用により、子どもの読書時間が減少する中、読書習慣を身に付けることが必要であると考えております。
子どもたちが自ら読書活動を進めていくためには、子どもたちが本を好きになり、読書の魅力を感じる出会いが大切でございます。
引き続き、担任や学校読書活動推進支援員による読み聞かせや、子ども同士がお勧めの本を紹介することなど様々な本に触れる活動を進め、子どもたちの読書習慣を確立できるよう進めて参ります。
○三好議長
松本議員。
○松本議員
是非、子ども達の読書習慣を確立できるよう要望致します。それには0歳からのブックスタートや就学前教育での読書機会を増やすなど、総合的な対応も要望致します。
これまでの話をまとめるとスマホ・タブレット端末の使用は、特に成長過程の子どもにとっては依存性など様々なリスクがあるという事です。
スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツが自分の子どもにはスマホ・タブレット端末を厳しく制限していたという話は有名です。まさにリスク管理をしていたということに他なりません。
私はスマホ等によって学力格差だけでなく生きる力の差も生じ、結果貧富の格差が更に広がるものと懸念しております。
スマホ育児のように早ければ0歳児から接するがために大きな問題です。子ども達は環境を選べず、大人が責任もって適切な環境を提供しなければならないと考えます。
最後にスマホ依存対策について総括的に教育長のお考えをお聞かせ下さい。
○三好議長
教育長
○教育長
(略)
議員が仰るスマホ依存、これは子どもの問題というよりも、私は大人の問題ではないかなと思っています。
学校で、先生が教員が検索を、調べ学習を指示する時に、教員自身がインターネットのファクトチェックの重要性でありますとか、記者の名前が載っている、新聞で調べるとか、発行者が明らかな、図書室にいった本で調べるとか、そうしたアナログの検索の良さを理解しているかどうか。
ご家庭で、それぞれ保護者が新聞や読書をしている姿を子ども達に見せているかどうか。スポーツを楽しんでいる姿を見せているかどうか。
何よりも今、電車に乗った時にほとんどの人が、スマホを片手にスマホの画面を見ています。
(略)
こういった事態をおかしいと思うような感覚が鈍ってきているのではないかなと。そう意味では、子どもと一緒にルールを考えたり、保護者と子ども、それから地域の方を啓発する色んな取り組みは勿論大事ですが、まずは私たちが、率先垂範して、スマホを少し片手から外して現実を楽しむとか、そういったバランスを子ども達に見せていく姿勢が大事なのかなとそう思っております。
そうした取り組みを皆さんと是非一緒に進めていきたいなと考えております。
○三好議長
松本議員。
○松本議員
丁寧なご答弁ありがとうございます。
スマホ依存対策については子ども達と保護者、教師、学校、教育委員会、そして教育長も仰いましたけども、大人誰しもが取り組む、そういう流れを議会からも応援できればと思います。
そういった点ではスマホに負けぬよう読書活動を一層強化すべく読書活動推進条例策定も検討されては如何でしょうか。
スマホ依存はまさに現代病とも言えます。私自身もやはりタブレットを持てば1時間ついつい見てしまうということはよくある事で、その1時間で何が出来たのだろうと、本当に機会損失を考えてしまいます。
成長過程の子ども達にとってはなおの事、機会損失が大きいかなと思っております。子ども達のスマホ依存対策をリスク管理の観点からも、しっかりと推進されるよう要望致します。
(以上)
(音声データ等より作成)
重要と思われる部分には強調を入れています。
※当該質問に関係のない他の質問項目の部分は省略しています。
Ⅵ まとめ
これまでの話をまとめるとスマホ・タブレット端末の使用は、特に成長過程の子どもにとっては依存性など様々なリスクがあるという事です。
スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツが自分の子どもにはスマホ・タブレット端末を厳しく制限していたという話は有名です。まさにリスク管理をしていたということに他なりません。
リスク管理が必要なものって、、、、。
依存という観点で、お酒以上にスマホは恐ろしいものです。
繰り返しにはなりますが、私はスマホ等によって学力格差だけでなく生きる力の差も生じ、結果貧富の格差が更に広がるものと懸念しております。
言うなれば、スマホに使われる人間とスマホを使いこなす人間に分かれるでしょう。
スマホ育児のように早ければ0歳児から接するがために大きな問題です。子ども達は環境を選べず、大人が責任もって適切な環境を提供しなければならないと考えます。そして、いわゆるしんどい家庭ほど、その子ども達のスマホ依存傾向は高いものと考えられます。本市の児童・生徒の依存度が高いのもそういった家庭が多いということでしょう。
家庭は勿論のこと、教育現場、包括的な対策が必要です。
教育委員会に対して、乳児から中学生までの包括的なスマホ依存対策を要望して参ります。
Ⅶ 関連リンク
◎WHO「健康に育つためには、子どもは座る時間を減らし、もっと遊ぶ必要があります」2019年4月24日
①追記(2025.6.25)
スマートフォンを手放せない若い世代を中心に認知症に似た症状を訴える人が増えています。都内の病院に専門の外来が開設されて1週間余り、使い過ぎによる弊害と対策を取材しました。(略)
「最近“スマホ認知症”を訴える患者がかなり増えています」
長い時間使い続けることで物忘れや集中力の低下など認知症に似た症状が現れる「スマホ認知症」。(略)
すでに2000万人が予備軍とも言われ、10代のおよそ3割が一日6時間以上スマホで動画を見ているという調査も。(略)
SOMPO笑顔倶楽部 2024/4/18
(略)
スマホ認知症とは
スマホ認知症とは、医学的に認められた正式な病名ではありませんが、スマートフォンの過度な使用が原因で発生する精神的・認知的な問題の総称としてメディアなどで使用され、知られるようになった言葉です。(略)
スマートフォンから受け取る情報は主に「浅く考える機能」だけを頻繁に使うようになり、脳疲労を感じやすくなります。さらに「深く考える機能」や「ぼんやりと考える機能」があまり使われなくなるため、集中力や思考力の低下などの認知機能低下につながっていくと考えられます。(略)
⇒ スマホ・タブレット端末等依存の行きつく先は自身の脳破壊です。
そうならなぬよう対策が求められます。
②追記(2025.7.16)・議会質疑
令和7年第2回定例会が6月13日~6月27日にあり、6月27日に「子どものスマホ・タブレット端末等依存対策と愛着形成について」で一般質問を行いました。その概要を記載します。
概要としては、令和7年5月23日に情報モラル教育等の先進都市である香川県高松市を議会で視察した内容を踏まえ、本市のスマホ・タブレット端末等依存対策について考え方や具体的な対策を質疑しました。
1.保護者と子どもの愛着形成がスマホ等依存対策に必要である。親と子の信頼関係があって、はじめてスマホ・ゲームの時間を制限できる、根本は子どもの養育環境である。そこで教育委員会の愛着形成についての見解は。
市答弁:愛着形成は、保護者や養育者等と子どもの間で、日常の関わりの中で育まれるもの。例えば、乳幼児期では、授乳やおむつ替えの際には、スマホやタブレット端末等を見ながらではなく、目の前にいる子どもと目と目を合わせるスキンシップを取る話しかけることなどを行い、子どもが歩き始める頃には、その活動を見守り寄り添うことで、子どもに安心感や幸福感、大人に対する信頼感等を与え、やがて子どもの心の拠り所である「安全基地」が作られる。
これらのことを踏まえ、本市においては、妊婦や父親を対象としたプレママサロンや、4ヶ月児健康審査時に、親子の関わり方についての啓発を行い、その重要性の周知を図っている。
2.左表は、こども家庭庁の「青少年のインターネットの利用時間」の1歳から5歳を抜粋した表です。1時間以上インターネットを利用は、1歳の時点で64.9%、5歳では81.2%となっています。そして5歳の7.3%が4時間以上となっています。
スマホ・タブレット端末等の使用について、低年齢化が進んでいることは明らかであり、就学前施設等における啓発活動についてどうか。
市答弁:毎月保護者への配布する「ほけんだより」にて、スマートフォン等のメディアについて考えるコラムを掲載している。また、一部の園では、参観の際に、「メディアとの上手な付き合い方について」と言うテーマで、スマートフォンの使用に関する講演会を全家庭向けに開催する等、各園共通の取り組みや独自の工夫した取り組み等を行い、啓発に努めている。
3.子ども達のスマホ依存の芽は就学前、早ければ1歳でも出ている実態を踏まえ、啓発活動を民間も含めて全体で取り組むよう要望する。
そして学校教育での対策も進めていく必要がある。情報モラル教育とガイドライン策定について進捗状況はどうか。
市答弁:情報モラル教育の推進については、情報モラル教材を活用し、スマートフォンやタブレット端末の適切な使い方を考える学習や、外部講師を招いた出前授業の実施など、子どもの実態に合わせた取り組みを進めている。
一方、教員が学習場面に応じたICT機器の活用の是非を意識することも重要である。学習場面によっては、ICT機器を使うことでかえって思考が浅くなったり、「書く」、「対話する」、「試行錯誤」するといった学習の基本的な活動が損なわれることも懸念される。ICT機器活用は目的ではなく手段であること、またその活用に伴うリスクマネジメントの視点も踏まえつつ、ICT機器を使う使わないを教員が適切に判断できるようにするための考え方を示したガイドラインを作成して参る。
③追記(2026.1.5)・議会質疑
令和7年11月6日に決算審議があり、そこでICT教育が学力向上に寄与していない、そのことについて二つの質疑を行い明らかにしました。その概要を記載します。
参考「令和6年度全国学力・学習状況調査 調査結果(公立小中学校)摂津市教育委員会
【11 学力向上推進事業】
○松本暁彦委員
令和7年度全国学力・学習状況調査結果等を踏まえて、総括的に学力向上の現状と課題についてどう分析されているのか、お聞きする。
○担当課長
令和7年度、全国学力・学習状況調査の調査結果に基づいて、質問紙調査については、学びに向かう姿勢は一定向上してきております。
一方、学力調査については、中学校は、国語は対全国比が昨年度より上昇したものの、ここ数年間の経年では横ばい傾向である。国語、数学、理科(いずれも全国平均以下)の調査結果で共通した課題といたしましては、論理的に思考すること、他者の意見を踏まえて論理的に説明すること等に課題が見られる。
○松本暁彦委員
学びに向かう姿勢は向上したけども、様々な要因がある中で、特に中学校は難しいということで理解をしている。
一つ紹介したいのが、文部科学省が7月31日に公表された令和6年度全国学力・学習状況調査経年変化分析調査、保護者に対する調査の結果(概要)で、2024年度の結果が2021年度より全ての評価で成績が下がり、新聞記事等でも取り上げられております。(朝日新聞2025.7.31:小6と中3の学力スコア低下、識者「深刻な結果」 国の経年変化分析)
この要因については、まだ分析されておりません。これについて、これは私の推測ですけど、全国で一律成績が下がった要因の一つとしては、ICT教育の弊害が挙げられるのではないかと思っております。2021年はGIGAスクール構想でICT教育が大きく推進され、それ以降ICT教育がさらに進み、様々な試行錯誤が行われ、2024年はICT教育が一定充実した年かと思います。全国において共通事項としては、そこしかなく、本市の状況を見れば必ずしも外れていないのかと思っております。これはあくまでも私見ですけども。
【12 小学校、中学校 教育用コンピューター事業】
○松本暁彦委員
令和2年度に1人1台タブレット端末を整備しております。それから4年がたちました。3年周期の中学校ではワンサイクルがたちましたけども、改めてそれらが本市の子供たちの学力向上にどこまで寄与しているのかお聞きする。
○担当課長
授業でICT機器をほぼ毎日活用していると答えた割合は、小・中学校ともに全国より高い値となっております。一方、小学校において、ICT機器を活用して友達と協力しながら学習を進めているとか、中学校において、授業や学校生活で互いに協力しながら課題の解決を図っていると回答した割合は、全国より低い値となっております。協働の学びのさらなる実現が課題であると捉えている。
(私見:上記答弁は学力・成績が伸びていない結果について言及せず、質問に適切に答えているとは言い難いです。それについては建前上・多額の経費等々も踏まえ答えづらいのでしょう。)
○松本暁彦委員
ICT教育におけるところで、子供たちの学力にどこまで寄与したのかですけども、個別の最適な学びと協働の学びを進める中で、協働の学びは課題ということでありました。
実際にその調査結果を見れば、寄与したというのは、正直、全く見れないっていうのが実態かと思います。私は以前から指摘をしておりますけれども、授業の集中を妨げる要因となっていたり、アウトプット重視でコピーアンドペーストのテクニックに走るのが見受けられるなど、肝心の思考力を養えていない。そういったところが学力に影響しているものと考えております。
これまで議会で多々、議論を行ってまいりまして、ICT教育のメリット・デメリットが明らかになってきたと思います。そしてICT教育のデメリットを回避して、 メリットを最大限生かすよう、教師個々に任せるんじゃなくて、教育委員会として指針やガイドラインを定めるべきと提言をしておりましたけれども、現状その取組についてはどうか。
○担当課長
委員がおっしゃるように、ただ活用するだけではなく、効果的な活用が大切だと捉えている。授業において効果的に教員がICT機器を活用しているのか等の状況も踏まえて、引き続きガイドラインの作成については検討してまいる。
○松本暁彦委員
ガイドラインについて議論をしているということで理解をした。
例えば、私としては漠然とした使用を防止するための方針としては、授業目的に対して効果が明瞭な場合においてタブレット端末を使用するとか、あるいは依存対策 として、授業においてはタブレット端末の使用時間を半日以内に収めるように留意するとか、あるいは子供たちの授業中における目的外の端末使用を防ぐため、児童・生徒に節度を持ったタブレット端末の使用を行わせると、使用目的を達成した場合は速やかに回収するといった指針が挙げられるのではないでしょうか。
その上で授業目的に対して効果が明瞭なものと不明瞭なものの違いとか、その詳細を掘り下げて記載したり、学校長等の現場に考えさせるのもよいかと思います。
(以上)
まとめ
多額の予算をかけICT教育に力を入れているものの、結果としては学力は向上していない。
その根拠は全国学力・学習状況調査の結果である。相対評価であり絶対評価ではない、という視点もあるものの、2024年は全国的に平均点が下がっている中では、どう見ても学力向上に寄与していると言えるものではない。
この事を踏まえ、ICT教育は万能ではなく、むしろ注意すべきものである。
教育長とのやり取りなど幾度も出ている「タブレット端末は単なる道具である」について、単なる道具だけではなく、高価かつ依存性があるもので、依存耐性の無い子供達への利用にはリスクが生じるものである。よって家庭は勿論のこと教育現場においても取扱いにはしばりを設ける必要がある。その提言がガイドライン策定である。
④追記(2026.3.27)・議会質疑
令和8年3月10日に文教上下水道常任委員会にて予算審議があり、そこでスマホ依存と家庭学習習慣の未定着やタブレット端末のガイドライン策定について質疑を行いました。その内容を記載します。
【14 学力向上推進事業】
○松本暁彦委員
(略)
やはりスマホ依存、この克服が求められております。中学校の現場からも家庭学習の時間とスマホの使用時間というのが反比例しているとお聞きをしております。まさにスマホの弊害と言えます。スマホ依存対策を進めないと、家庭学習が進まない。これは以前からも指摘しておりますけど、その対策についてお考えをお聞きしたいと思います。
○田中学校教育課長
続きまして、14番目、学力向上に関わってスマホ依存と家庭学習習慣未定着の関連性についての見解を御答弁させていただきます。
学校では、家庭への啓発に加えまして子供自身がスマートフォンとの関わり方を考えることができるよう、外部人材による出前授業等を実施しております。
また、家庭学習習慣につきましては、子供自身が中学校の定期テスト時期に合わせて自分で家庭学習を計画するような、家庭学習ウィークを実施したりもしております。スマホ依存と家庭学習習慣の未定着というのは、どちらも子供の課題ではございますが、保護者の理解、協力が不可欠です。特にスマホ依存は、子供を取り巻く大人の課題でもあると考えております。
今後につきましては、現在進めておるコミュニティ・スクールの学校運営協議会には地域の方、保護者も参画しておりますので、このような課題を扱うなどして、保護者、地域など、子供を取り巻く大人自身が自分事と考えるような機会をつくってまいりたいと考えております。
○松本暁彦委員
続きまして14番目になります。学力向上についてです。 家庭学習の件で、スマホ依存対策についてですけども、子供の課題だけでなくて保護者の課題、大人の課題として捉えていると。そして大人自身が考える機会を提供していくというところで、理解をいたしました。こちらについては、しっかりと進めていただきたいと思います。
先ほどの教育大綱の基本方針4に「豊かな学びを支える教育環境をつくります」と記載がございます。この豊かな教育環境とは何ぞやと。そこには学校のみならず地域、そして家庭も教育環境として捉える必要があります。当然、捉えておられるものと認識をしております。例外はあると思いますけども、基本的には家庭環境によって学力に差が生じるのは事実であります。
その上で、スマホの登場によってその学力差の広がりは拡大してると認識をしております。スマホによる機会損失は取り返しのつかないものでございます。以前にも紹介しましたけれども、所得が高い世帯は子供へのスマホ管理を行い、低い世帯は野放しであるという傾向がございます。しんどい家庭が多い本市の課題として家庭力をどう強化するのか、学力向上には欠かせない問題です。しっかりと保護者に対してもアプローチしていただくよう要望いたします。
⇒まとめ
家庭学習とスマホ使用時間は反比例をしている。スマホによる子供たちの機会損失は多大なものである。そのためスマホ依存対策は保護者もしっかりと巻き込んでいかなければならない。その点は教育委員会も認識をしている。保護者へのアプローチをもっと行うことが必要である。
【15 小学校教育用コンピューター事業】
○松本暁彦委員
(略)
次に代表質問でも質疑いたしましたが、ガイドラインの策定についてです。児童・生徒や保護者への対応に取り組むことはもとより、教員にとって例外ではありません。特に最近はスマホ世代が教員となっており、タブレット端末使用の抵抗も一層低くなっているものと思います。これもまた野放しではいけないと提言しております。
私が2018年から2年間、関西学院大学のビジネススクールに在籍していたときに、グループワークでは議論することが求められ、紙やペンを使って考えを示すなど端末をいじっている時間はなく、また必要もございませんでした。アナログは大事かと思っております。
学校現場を度々見に行く機会がございますが、そこでタブレット端末を使用している場面はあるものの、児童・生徒がただ端末をいじっているという場面が散見され、本当に効果を上げているとは思えない、そういった状況が、どちらかというと多いかと思いました。
学校でのタブレット端末使用におけるガイドライン策定については現在検討しているとのことですけども、そのことを踏まえて策定に向けた課題についてはどのようなものか、お聞かせください。
○田中学校教育課長
続きまして15番目、小学校教育用コンピューター事業に関わる教職員用のガイドライン策定における課題でございます。
一人1台端末の活用におけるICTのメリット・デメリットの双方を踏まえながら活用していくということは、何度も御質問もいただいているように重要だと捉えております。
その上で、ガイドライン策定の課題は、授業の具体的な場面に応じた活用の考え方を紙面上で十分に表現することが難しいという点でございます。例えば、子供たちに考える場面についてはすぐ検索には頼らないであるとか、子供たちの交流の場面では一人1台端末活用の意味を考えることを示すのは可能でございます。しかしながら実際の授業では状況に応じた判断が求められます。子供たちの状況であったりとか、その授業の本来の力をつけるための目的や、場面によっては検索機能を多く活用することで質の高い授業になることもあり得ます。
そのためガイドラインの作成と併せて、授業改善の場面の指導、また研修を通して教員が具体的に考える場面をつくることが必要であると考えております。
○松本暁彦委員
続きまして、15番目、小学校教育用コンピューター事業の中でガイドラインについてです。
先ほどございましたけれども、やはり事細かに指示をするというのは無理だと思います。それについては考えさせるということが必要かと思います。
私はそのガイドラインで教育委員会に求めたいのは、指針を示すということだと思います。例えば授業目的に対して効果が明瞭な場合においてはタブレット端末を使用するとか、使用目的を達成した場合は速やかに回収するといった指針ということです。本当に細かいところは現場に考えさせるべきです。ただその考えるための土台というものを提供する。そこが私はすごく大事と思います。その文書で、あるとないとでは全然変わってきます。土台があると議論が進んでいくんです。今その土台がなく、口頭だと伝わらない部分もある。しかしながら紙だとしっかりと教育長、教育委員会の思いが伝わるので、細かいところをしっかりと考えさせる。考えさせるということが私は教員にも必要だと思います。そこはしっかりとやっていただきたいと思います。
私たちの世代にはタブレット端末はありませんでした。確かにプログラミングはできませんけども、様々な仕事には生かせており、特別なスキルを求められなければ、結局のところICT能力というのは、後づけでもほぼ変わらないと思っております。端末を使うというよりも、限られた授業時間をいかに有効なものにするということを優先して取り組まれるよう要望いたします。
学力向上におけるICT教育の効果は限定的に見られないと。これは前回の決算に係る審査で指摘しました。以前、小学校でパソコンが導入され、パソコンルームといった一つの部屋に集約されておりました。原点回帰といいますか、タブレット端末も一つの部屋に集約して、そこで使用させてもよいのではないのかと。台数も少なく費用削減もできます。そして、ICTに関わる何億、何千万という費用で、教員、講師、学習サポーターを増員して、小学校のさらなる少人数学級、そして中学校でも少人数学級を実現させることが、ずっと児童・生徒の学力向上及び生きる力の育成につながるものと考えます。これは個人的な思いでございます。これについては以上です。
⇒まとめ
教育委員会はガイドライン策定に向けて課題整理等を行っているようである。細かく定めることは困難であり、方針に留めて細かいところは現場で考えさせるべきである。
また学力向上に寄与していない以上、ICT教育・タブレット端末にかかる費用を教員増加に費やしたほうがよっぽど効果的である。その旨も発言した。




