摂津市の就学前教育の課題と言葉の大切さについて

Ⅰ 前 言

 これまで就学前教育について、市内子ども園での取り組みなどをブログで取り上げてきました。そして、これらの取り組みを普及・認識の共有を図ることが求められました。

 

 そこで6月議会で取り上げました。

 

 当初は、語彙力向上を主に質疑を行おうと思いましたが、その前の段階といいますか、本市の就学前教育のあり方、学力課題克服におけるその役割の分析が先ずもって必要であることが分かりました。

 

 そのため、その課題を主に取り上げることとしました。


Ⅱ 質疑概要

 摂津市の小中学校における学力課題はかねてから議会で議論が行われている。その議論の中で、本市は小学1年生から全国と比較して学力差が生じており、早期での対策、即ち就学前教育の重要性が改めて見直されている。

 この一般質問では、本市での就学前教育の認識と課題(幼少連携等)を明らかにするとともに、合わせて幼児教育にとって重要な「言葉」について情報共有等を図った。

 

令和3年第2回定例会一般質問 ~本会議2日目 令和3年6月24日~

議事録(抜粋)

 

4 就学前教育の課題と言葉の大切さについて

 

○松本議員

 4 就学前教育の課題と言葉の大切さについて、まず本市での学力課題として、小学1年生の時点で学力差が生じています。

 また、福岡教育大の川口准教授等の研究で、経済的に豊かな家庭ほど本の読み聞かせや多数の蔵書など学習環境が整っていることが多く、塾にも通いやすいことなどから、進級に従って学力差が開きやすく、学力に差がつく前の段階での支援の必要性を指摘しています。

 よって早期に学力差を防ぐため、就学前教育が重要となりますが、どうお考えかお聞かせください。

 

(略※)

 

○森西議長

 次世代育成部長

 

○橋本次世代育成部長

 就学前教育の重要性についてのご質問にお答えいたします。

 乳幼児期は、子どもたちが人間として心豊かにたくましく生きる力を身に付けられるよう、また生涯にわたる人間形成の基盤を培う重要な時期であり、質問にありましたように就学前教育の充実は、非常に重要であると認識しております。

 特に、就学直前の5歳児と小学校との連携・接続期における保育を考えることは大変重要であります。5歳児へのカリキュラムの適切な実践、そして円滑な接続に向けての幼児教育と小学校双方の取り組みの構築が、小学校以降の学力向上にもつながってくるものと考えております。

 また、文科省におきましても、すべての5歳児を対象とする就学前教育の提供に向けた幼児教育スタートプランが新たに発表されており、その内容と動向を注視してまいります。

 

(略※)

 

○松本議員

 次に就学前教育についてですが、就学前教育の重要性を認識しました。

 では就学前教育をどのように本市の学力課題克服のために行うのか、学校教育課とも課題認識を共有して、市全体で推進するために、どのような課題があるのかお聞かせ下さい。

 

○森西議長

 次世代育成部長

 

○橋本次世代育成部長

 就学前教育に育みたい資質・能力につきましては、小学校以降のように教科指導によって育まれるものではなく、自発的な遊び・生活の中から個々の発達に応じた経験を積み重ねることで心身の成長と共に育まれていくものでございます。

 そのために、それぞれの発達段階に応じて必要な経験を保障する係り・指導を常に見直し、充実させていくことが必要であります。

 公私立のそれぞれの就学前施設におきましては、独自の特色あるカリキュラムに基づき運営されております。その取り組みは尊重しつつも、市全体で推進するためには、就学前施設が連携し、課題を共有して取り組む必要があり、本市の地域性、家庭環境及び子育て環境の実情を踏まえ、本市における就学前教育の方向性を示していく必要があるものと考えております。

 

○森西議長

 松本議員。

 

○松本議員

 学力課題克服に向けた諸課題については認識しました。

 ではそれら課題対応にどう取り組まれるのでしょうか。お考えかお聞かせください。

 

○森西議長

 次世代育成部長

 

○橋本次世代育成部長

 保育者の資質・能力の向上につきまして、それぞれの就学前施設の実情に沿った園内研修等に、更なる資質・能力向上を目指した内容の工夫を図って頂くとともに、様々な立場からの外部からの助言等を受けられるような体制の整備が必要であると認識しております。

 また、本市の地域性、家庭環境及び子育て環境の実情を踏まえた課題の把握をするために、小学校及び就学前施設の現場の職員にアンケートを実施してまいります。

 調査結果をもとに、各就学前施設、小学校ならびに学校教育課とも連携して、就学前教育の充実に取り組んでまいります。

 

○森西議長

 松本議員。

 

○松本議員

 課題をこれからしっかりと調査・分析し、方向性を定めていくと理解しました。

 さて、ある市内子ども園でボランティアの市民の方が5歳児対象に語彙力向上の取組みで、「漢字での教育」を実践され、子ども達が遊びながら楽しみながら学び、最後にはその子ども達が語彙力向上とともに自己肯定感も上がったという結果を出され、その内容を見事にレポートにまとめられています。

 私はこの語彙力向上が学力課題克服に貢献するものと着目しています。

 例えば、お茶の水大学の内田信子教授の論文には語彙の豊かさが学力基盤力を支え、経済格差を超えるとあり、また「3000万語の格差」というアメリカで研究された本でも、幼児での語彙の豊かさが将来の学力、成功能力に良い影響をもたらすと書かれ、そして文科省の平成16年の報告書にも語彙力の必要性が明記されています。

 この幼児期の非常に大切な語彙力・言葉について、どうお考えかお聞かせください。

 

○森西議長

 次世代育成部長

 

○橋本次世代育成部長

 平成29年に策定されました国の教育保育要領・保育指針の教育内容には生きる力を培うために必要な要素が5つに分類されており、その中に「言葉」がございます。乳幼児期の言葉の重要性については十分に認識しているところでございます。

 語彙力や言葉、豊かな表現力の育成に向け、公立園での取り組みとしていたしましては、今年度から絵本の読み聞かせの回数を1日2回に増やす、必要に応じて個別で読み聞かせの実施、また新型コロナウイルス感染症拡大防止から当面中止しておりますが、保護者向け・地域向けに絵本の貸し出し等の工夫も行っているところでございます。

 日々の生活や活動においても語彙力や言葉は培われていくものと考えられますが、このような取り組みが加わることで、更なる向上につながるものと考えております。

 

○森西議長

 松本議員。

 

○松本議員

 言葉の重要性・大切さの認識は、共有していると理解しました。

 私は、学力課題克服には学力基盤力を向上させる言葉・語彙力向上が鍵と考えます。それには、さきほど言われた絵本の読み聞かせの充実など、言葉の環境をさらに豊かにすることが必要です。漢字での教育もお勧めです。是非、研究するよう要望致します。

 ただ、就学前教育を適切にしたとしても課題となっている小学1年プロブレムの解決が必要です。幼少の研修会などがありますが、まずは小学校教師が園で幼児教育を実際に見る、という事が必要と思いますが、どうお考えかお聞かせ下さい。

 

○森西議長

 次世代育成部長

 

○橋本次世代育成部長

 本市では、子ども達が小学校へ進学に伴う環境の変化に戸惑うことが無いよう就学前施設と小学校との交流会を、年間計画を立てて実施しております。

 5歳児が在籍するすべての公私立園及び小学校を対象にして、職員交流会・園児の学校訪問の他、小学校教職員による保育参観を実施し、園でどのように過ごしているのか、実際に見学して頂くことで、直接確認して頂いた情報が、非常に貴重であると考えております。

 しかしながら、昨年度に引き続き今年度も新型コロナウイルス感染症拡大の影響から中止しているものもございます。

今後の感染状況を踏まえ、学校園所の意見も踏まえながら実施の検討を行ってまいります。

 

○森西議長

 松本議員。

 

○松本議員

 百聞は一見に如かず。特に1年生の担任となる教師が、幼児教育を実際に見れば、受け入れ姿勢を実態に合わせ、シームレスな教育の移行に寄与するものと考えます。

 その点、就学前教育も含めた12年、少なくとも10年を見通した教育の取り組みが必要になるものと考えます。

 最後に、教育長に就学前教育での課題対応も含め、どう部署の垣根を越えて進められるのか総括的にお考えをお聞かせください。

 

○森西議長

 教育長

 

〇箸尾谷教育長

 私もですね、学力問題のみならず、現在の子ども達の成長を見ますと小学校教育以前の就学前教育が大変重要であるというふうに考えております。

 就学前教育のですね保育・教育の内容を考える際には、その内容がですね、子ども達の発達年齢等にですね即しているかどうかという視点と、小学校教育との接続をどのように考えられているか、この2点が大変重要になってくるというふうに思っています。

 まず、内容を検討する際には各園所の子ども達の状況、これは家庭環境も含めてですけれども、子ども達の状況を総合的に判断しますとともに、小学校教育を見据えて、就学前教育の最終段階で、子ども達にどのような力を付けるのかといったことをしっかりと明示しておく必要があるというふうに思います。

 また小学校との接続という視点で考えますと、就学前施設というのは決して、小学校教育の事前準備の場というわけではございませんが、5歳児後半のですね、直前教育というのが、その後の小学校の1年生の教育に、少なからず影響を与えるものというふうに考えております。

 そういう意味では、例えば小学校で授業を受けるのに必要とされる忍耐力でありますとか、集中力、そういったものを育む保育でありますとか、あるいは鉛筆を持っての鉛筆を持っての文字や数、線遊び、それからまあ、議員の方からのご紹介があった漢字を使っての遊び等ですね、遊びの中で、子ども達が楽しんで学べるよう、それぞれの園所の課題に照らして、考えていく必要があるというふうに思っております。

 先ほど部長が答弁させて頂きましたように、就学前教育の充実、あるいは小学校との接続を考えました時に、本市の小学校に進学してくる子どもさんの多くはですね私立の保育所あるいは子ども園、幼稚園の卒園生が多ございます。そういう意味では、公立の子ども園・幼稚園だけではなく、やはり私立の園所とも十分に連携できますように、また小学校との教育との関連という意味では、本市の学校教育課との連携もしっかりと考えながら、それぞれの担当部署が、しっかりと連携できるように今後も丁寧な議論を図りつつ、取り組んで参りたいと考えております。

 

○森西議長

 松本議員。

 

○松本議員

 ありがとうございます。

 是非、本市学力課題克服に向け、課題分析、方向性の検討を行い、また言葉をさらに研究され、より効果的な就学前教育の検討を要望いたします。

 また、さきほど言われたように就学前教育には、家庭の協力も必要であり、そのためにも親学習にも取り組まれるよう合わせて要望致します。

 

 

 

 

(音声データ等より作成)

※当該質問に関係のない他の質問項目の部分は省略しています。


Ⅲ 今後について

 

 今後、教育委員会は小学校、次いで就学前教育に関するアンケートを行う予定です。

 

 それによって、本市での就学前教育での共通の課題を洗い出します。

 

 その内容を踏まえ、公私立園の共通の方向性を見出していきます。

 

 また、「言葉」や「つながり」といった重要な要素を取り上げ、入れ込んでいきます。

 

 子ども達が将来において夢を実現できる環境の構築をしっかりと行ってまいります。

 


関連リンク