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風評被害、風評加害を防げ!!摂津市のPFOA問題


 

ブログ内項目

Ⅰ はじめに

Ⅱ 現状のPFOA対策について

Ⅲ 風評被害について

Ⅳ 議事録

Ⅴ まとめ

追記

① 2022年12月1日:PFOAに関する決算委員会議事録

② 2023年5月10日:国への意見書について

③ 2023年8月3日:「PFOS、PFOAに関するQ&A集」

④ 2023年12月15日:市政報告・議事録

⑤ 2024年4月15日:PFOAに関する令和6年第1回定例会質疑

⑥ 2024年4月26日:環境省報道資料

⑦ 2024年7月5日:食品安全委員会「有機フッ素化合物(PFAS)」の健康影響について

⑧ 2024年8月30日:環境省リーフレット等について

⑨ 2025年1月23日:PFOAに関する令和6年第4回定例会質疑

⑩ 2025年1月27日:記事紹介「【PFASの健康リスクは小さい】誤解続く環境汚染と健康リスクの違いー最新の科学と報道の乖離

⑪ 2025年4月28日:環境省資料「PFASハンドブック」の紹介

⑫ 2025年7月16日:PFOAに関する令和7年第2回定例会質疑、岡山県吉備中央町での健康影響調査について

⑬ 2025年10月12日:PFOAと間質性肺炎の関連について

⑭ 2025年11月14日:大阪府への意見書「PFASによる健康影響の調査について速やかな実施を求める意見書2025.10.29」

⑮ 2025年12月24日:摂津市のがん罹患率状況について

⑯ 2025年12月24日:国への意見書「PFASによる健康影響調査等にかかわるガイドラインについて速やかな策定を求める意見書2025.12.19」

⑰ 2026年6月8日:「エコチル調査における妊婦のPFASばく露と妊娠・出産時の事象との関連

 

 

   


Ⅰ はじめに

 

 摂津市におけるPFOA問題について、その対策推進と風評被害防止の両方の同時進行が求められます。地域住民に二重の被害が受けることがないようにしなければなりません。

 

 対策推進については国や大阪府の調査や健康に関する基準値の策定が特に重要です。そして風評被害防止については、地域住民からの強い要望もあり、その防止の取組み、福島県での事例も挙げて、その風評被害の定着化、固定化の防止が求められます

 

 それらについて議会で質疑を行っています。

  (2024/8/21追記・下段参照)

 

 


Ⅱ 現状のPFOA対策について

 2022年6月末時点でのPFOA対策について列挙しました。

 

①市は、水環境の継続監視を担う大阪府とも連携して、対応に当たっている。

 具体的には、大阪府が主宰する神崎川水域PFOA対策連絡会議において、地域の声を大阪府に届けるとともに、大阪府の調査の支援、府活動時の地元との調整等を実施している。

 

②市は、国に大阪府等を通じ、早期に人の健康への影響について、科学的な知見の集積に努めるとともに、調査研究及びガイドラインの作成等を要望している。

 

③市は、PFOAに関する情報発信の一環として、市のホームページを立ち上げている。今後、新たに国、大阪府等から得られた情報を適時更新し、情報発信に努めるとしている。(前議会で要望したもの。)

 

④現在、環境省において、令和3年度より環境研究総合推進費を用いて、PFOA等が土壌中にどのように挙動するのか、どのように効率的に除去できるのかという除去技術の開発をテーマに研究が行われている。

 

 

 


Ⅲ 風評被害について

 2022年3月7日の本会議において、市は「風評被害への相談等につきましては、地域住民からは様々な不安の声が上がっておりますとともに、地域の農業者からは、その地域で栽培した農作物が売れにくくなっているなどといった風評被害が発生しているため、風評被害に対する対策を講じて欲しいといった要望も、市に寄せられています。」という答弁を行っています。

 

 なぜ、本市で風評被害が発生しているのか。改めて風評被害、そして風評加害について福島県の事例を挙げて参考にしました。

 

1.福島復興に向けた「風評被害」への対応 - J-Stage

不確実情報・多義的情報は曖昧さを減少させることができず,むしろ曖昧さを増加させる情報・知識である。放射線被ばくによる健康被害には不確実性が残り,説明は多義的にならざるを得ない点がある。そのため福島の風評について,知識のみによる恐怖に対する効果には限界がある。 風評被害を止めるには,風評の加害者が被害に苦しむ被害者の視点をもって被害の深刻さを理解することが必要である。

社会心理学の視点からのアプローチと対処策の展望  関西大学 土田 昭司

 

 

②東京都民1,000 人を対象とした調査では,福島県産食品に対する意識割合は,「気にしない」>「躊躇する」> 「積極的に食べる」順となっている。ただし,「後年,影響が出る」,「次世代に影響出る」,と思っている人の割合が多いことから,このような点に関する正しい理解の不足が,風評がなくならない理由の一つと考えられる。また,福島県民の放射線に対する理解は都民よりも深いことを考えると,風評は,「他の地域から投げかけられる被害」とも考えられる。

被災地域でのケアコミュニケーション経験からの示唆 藤田保健衛生大学 下 道國

 

 

2.風評加害等について

 菅直人、小泉純一郎両氏ら5人の首相経験者が欧州連合(EU)欧州委員会に、東京電力福島第1原発事故の影響で子供が甲状腺がんに苦しんでいるとした書簡を宛てた問題で、福島県の関係者に反発が広がっている。国連の専門家委員会などの調査では福島原発事故と甲状腺がんの発症に因果関係が立証されていないからだ。甲状腺がんには治療する必要のない「潜在がん」も多く、裏付けに乏しい中で原発事故と甲状腺がんを結びつけようとする元首相らの行動は風評被害を広げかねない。「科学的根拠に反するメッセージだ。日本の首相経験者という権威による『風評加害』のもとになる」と福島県の渡辺康平県議は31日、産経新聞の取材に菅、小泉両氏の行いについて憤りを隠さなかった。

 

 

 今回の東日本大震災では、福島第一原発の事故による放射能汚染をめぐり風評被害が心配されています。

 実際にいくつかの県で、空気、土、海水や食べ物などから、原発事故が原因となる放射性物質が見つかり、イネを植えることを禁止する作付禁止や、採れたものを市場に出すことを制限する出荷制限などの対策がとられています。

 しかし、放射性物質が検出されていない食べ物や、そもそも被ばくの恐れのないものまでが利用を避けられ、商品が売れなくなったり、損害を受けたりするといった風評被害が、実際に起きています。

 自分がこうした風評被害の加害者とならないためには、他人から聞いたことを鵜呑みにするのではなく、自分自身でその根拠や出典、正当性を調べる努力をし、正しい判断や言動に心がけることが必要です。

 また、他の人に誤った情報を流してしまわないように注意することも重要です。

 

 

3.風評被害の定着化・固定化について

出典:【風評問題のメカニズムとその対策 関谷直也】 :環境省HP

 環境省資料の風評問題のメカニズムとその対策からは、風評被害の段階論としてプロセス4では、払拭できない神話が「事実化」し定着するという。数年かけて、そしてマスコミ等の周知も相まって、風評問題が事実化、固定化するというものです。

 例えばコメの全量全袋検査(放射性物質は検出限界値以下)を行っていても、その周知度合いなどもあって、福島県産を忌避されているということです。

4.市内で起きる風評加害??について

 市民の方から苦情が寄せられているのは、「低出生体重児」や「発がん性」などの健康被害の可能性について、過剰に不安を煽るような内容のビラが某党により、繰り返し市内地域に撒かれている、というものです。

 現時点として健康被害把握されていない中、慎重対応すべきものが、風評被害を招くような行為に走っている方がおられるという疑念があるというものです。

 PFOAは普段でも一定量、全国各地で私たちの口に入っている現状があり、過剰摂取防止に努めることで大丈夫なのですが、(詳細は前回ブログ参照)そういった事を知らせず、極めて恐ろしい劇物で汚染された土地という印象を作ろうとしているのが見受けられます。不確実情報PRされればされるほどに地域や市民の方の不安は募ります。

 繰り返しにはなりますが、PFOA除去すべきものです。だからといって現状を無視してまで風評被害を巻き起こすことは許されるものではありません。

 

 


Ⅳ 議事録

 PFOA対策と風評被害防止について議会で質疑しました。

 

令和4年第2回定例会一般質問 ~本会議3日目 令和4年6月27日~ 議事録(抜粋)

 

2 PFOA問題の対策推進と風評被害防止について

 

○松本議員

 次にPFOA問題の対策推進と風評被害防止について、まずはPFOA対策推進について、議会としても南野議長が先月の全国市議会議長会参加と合わせPFOA対策推進の要望を行っています。

 現在の市の対応状況等の取組みについてお聞かせください。

(略※)

 

○南野議長

 生活環境部長

 

○生活環境部長

 「ペルフルオロオクタン酸(PFOA)の取り組み状況」についてのご質問にお答えいたします。

 PFOAの対応につきましては、国から示された対応の手引書では、水環境の継続監視を行い、PFOA等の暫定的な目標値を上回っている飲用井戸所有者につきましては、水道水の利用を促すよう助言等を行うように記載されております。このうち、本市の役割はPFOA等の暫定的な目標値を上回っている飲用井戸所有者に水道水の利用を流すよう助言等を行うこととなりますが、水環境の継続監視を担う大阪府とも連携して、対応に当たっているところでございます。

 具体的には、大阪府が主宰する神崎川水域PFOA対策連絡会議において、地域の声を大阪府に届けるとともに、大阪府の調査の支援、府活動時の地元との調整等を実施しております。

 また、現在、PFOAは水環境全体の暫定的な目標値しか基準がございませんので、国に、大阪府等を通じ、早期に人の健康への影響について、科学的な知見の集積に努めるとともに、調査研究及びガイドラインの作成等要望しております。

 その他の取り組みとしましては、PFOAに関する情報発信の一環として、市のホームページを立ち上げております。今後、新たに国、大阪府等から得られた情報を適時更新し、情報発信に努めて参ります。

(略※)

 

○松本議員

 次にPFOA問題についてですが、対策はできることに関しては進めているものと理解しました。スピード感を持つよう国・府へ働き掛けを継続するよう要望致します。

 そしてこの問題解決には国が早期に健康に関わる基準などを示すことも必要ですが、見通しは不明です。

 そして分からないが故に、不安が煽られれば瞬く間に風評被害は拡がります。井戸水等のPFOA汚染だけでなく風評被害という2重の不安・被害を地域に与えることは決して許されるものではありません

 例えば、福島県での放射能等を巡る風評被害に関して、環境省資料によると風評被害が定着、固定化してしまい、例え全量検査を行ったところで、その回復が難しい現状があります。

 傷つけるのは容易でも回復は難しい。その事実を踏まえ、冷静かつ慎重な広報が今、求められます。

 改めて風評被害の拡大と固定化を防ぐ取り組みについてお考えをお聞かせください。

 

○南野議長

 生活環境部長

 

○生活環境部長

 風評被害は、根拠の不確かな噂や曖昧な情報をきっかけに生じるものと認識しております。

 PFOAに係る健康に関する科学的知見の集積、国際的な評価がなされていない中で、話題だけが先行してしまいますと、風評被害への影響が大きくなることが懸念されます。風評被害の拡大と固定化を防ぐためにも、国、府等から得られた情報を基に、正確な情報を伝えていくことが肝要であると考えております。

 例えば、現在、環境省において、令和3年度より環境研究総合推進費を用いて、PFOA等が土壌中にどのように挙動するのか、どのように効率的に除去できるのかという除去技術の開発をテーマに研究が行われております。

 その成果をはじめ、今後、国や府の知見等の情報収集をしっかりと行い、先ほど取り組みで述べました市のホームページを活用して、情報発信をしてまいりたいと考えております。

 

 

○南野議長

 松本議員。

 

○松本議員

 風評被害を防ぐ取組みについて理解しました。

 極めて難しい問題、対策推進と風評被害防止同時に推進することが重要です。

 最後に、PFOA対策について総括的に市長のお考えをお聞かせください。

 

○南野議長

 市長

 

○森山市長

 大気汚染とか、水質等々ですね、環境行政、これの権限というのは、ほとんどと言ってもいいほど国、都道府県、これに委ねられている。そういう意味から言いますと、最先端で窓口を預かっている我々基礎自治体としては、こういった事案が起こる都度と言いますか、靴の上から痒い所にかくという言葉が妥当かは分かりませんけれども、戸惑いを覚えていることは確かでございます。

 このPFOAにつきましては、だいぶ前から国際的にも色々と議論がなされてきていることは承知しております。国内でも20年くらい前になるのですかね、発がん性など色々とされておったことも承知しております。

 摂津市内におきましては、平成17、18年頃か、水質の定点が設けられ、大阪府のほうで色々と測定して頂いた経緯があります。以来、定期的に行われております。非常に高い数値が出ているということで、以来、関係事業所、また大阪府、当該市と三者による協議と言いますか、安全策と言いますか、そういった協議を重ねてきたところでございます。

 そういう状況にありますけれど、さきほどから話が出ておりますけども、この因果関係と言いますか、はっきりとした原因、これが確定をしていない時点において、基礎自治体、我々が判断をするということはなかなか難しいことでございまして、ご指摘のように思わぬ風評被害につながってしまう、特に土壌汚染等々と作物と関係する数値については、何らまだ基準が示されておりません。この段階においては、言及することはできませんが、そういう意味でも、国がこの4月から測定に乗り出して頂いておりますので、早くですね、その結果を出して、安全安心だなと言えるようになれば良いなと思っております。

 引き続いて環境省のほうにもしっかりと早く測定し、結果を公表して頂くようお願いをしていきたいと思います。

 

○南野議長

 松本議員。

 

○松本議員

 ありがとうございます。

 PFOA問題について、しっかりと市民・地域の為に両方の対策を進めて頂くよう要望致します。

 

 

(音声データ等より作成)

重要と思われる部分には強調を入れています。

※当該質問に関係のない他の質問項目の部分は省略しています。

 

 


Ⅴ まとめ

 

①100%分からないから、不安を煽る。

 

②100%分からないといえども、過去の事実の積み重ね、他事例を踏まえ、慎重な対応を行う。

 

地域を守るために①と②のどちらを選択するのか。

 

PFOA対策を着実に推進するとともに、②による風評被害防止を図る

 

正しく知り、正しく恐れる。この事が大切です。

 

今、摂津市においてしっかりと両方の対策を進めて参ります。

 

 


 

①追記 2022年12月1日

 

 10月下旬に令和3年度の決算認定に関わる質疑が議会でおこなわれました。議事録が市で作成されたので、その質疑の中で、PFOA関連について、抜粋して掲載しました。

 

 特に風評被害防止について質疑しています。

令和3年度決算 ~民生常任委員会 令和4年10月24日~議事録(PFOA関連抜粋)

 

〇松本暁彦委員

 8番目、事務報告書の152ページに公害陳情受付件数が記載されております。これはPFOA問題です。改めて記載されている問題にかかわらず、PFOAについて市民から不安の声はどのように上がっているのかお聞かせください。

 続きまして農業委員会です。こちらはPFOA問題です。令和3年度、農業委員会に要望書が提出されたとお聞きをしております。農業委員会として農作物に関する風評被害の現状をどうとらえているのか、 お聞かせください。

 

〇菰原環境政策課長

 それでは、8番目の質問、PFOAに係る市民の不安の声に関するご質問にお答えいたします。令和2年6月に、環境省が令和元年度PFOS及びPFOA全国存在状況把握調査の結果を公表し、大きく報じられたことから市民の不安の声をお聞きしております。

 具体的には、水道水を飲用しても大丈夫であるか。農作物を食べてよいかといった声をいただいております。そのような問い合わせがあった場合には水環境全体で暫定目標値等が示されていること、農作物には現在基準がないこと等について、現状知り得る事実をお伝えしております。以上でございます。

 

〇山下農業委員会事務局長

 それでは、農政部局に関わりますご質問にご答弁申し上げます。まず質問番号9番、PFOA問題に関わって農産物に関する風評被害の現状をどうとらえているかというご質問に答弁申し上げます。

 農業委員会に対します直接的な意見といたしましては、令和4年2月28日付で市民の方から「PFOA問題の対策推進と風評被害防止に関する要望書」が提出されました。

 要望書の内容といたしましては、客観的事実を述べずに発がん性や低出生体重児発生など可能性だけを過剰にPRしたビラが市内に配布され、PFOA問題が水俣病問題と同等だというような趣旨のことが一部議会や報道等でございました。これにより、地域住民が不安になり、地域農作物を敬遠する事態が発生する風評被害引き起こされていることから、市においては、地域住民の不安を取り除くよう、あわせて風評被害を防止する対策を図ることを強く要望された内容となっておりました。

 

〇松本暁彦委員

 8番目、PFOA問題です。市民から不安の声が上がっている状況については、理解をいたしました。先ほど農業委員会からは、農作物への風評被害のことをお聞きしました。農作物以外での風評被害を把握しているのか、また、風評被害の防止についてどのようなものかお聞かせください。

 9番目、農業委員会に関する風評被害の現状についてお聞きをいたしました。要望書の内容を説明していただいたことは理解をいたしました。

 実のところ、私も地域で農作物を生産される方から相談を受けております。その相談をご紹介します。あるビラを持ってきたお知り合いの方から、この地域の野菜は汚染されており、食べないと言われたそうです。すごく精神的ショックを受けたということでした。そして実際その方の生産している野菜の売れ行きが悪くなり、どうにか対応してほしいというものでございます。その上でその方が、この被害を一体誰が補償してくれるのかと。後々調査をしてその地域が何も健康上問題ないとなったとき、風評被害を引き起こした方々は被害者に補償するのか、何事もなかったように振る舞うのではないかと話されておりました。

 私は、その相談にはショックを受けたと同時に、対策が必要であると強く認識をしました。そういった事例が他にあるか、PFOAの農作物への風評被害の実態調査等を行われたのか、お聞かせください。

 

〇菰原環境政策課長

 それでは、2回目の質問、農作物以外の風評被害の把握、風評被害の防止に関する取り組みについてお答えいたします。農作物以外の風評被害の関連のお問いとして不動産としての資産価値の低下を懸念する声はいただいているところでございます。風評被害は根拠の不確かなうわさや曖昧な情報をきっかけに生じるものと認識しております。

 本市といたしまして、国へは人の健康への影響に関する基準やガイドラインの整備を要望し、国・大阪府等から得られた情報を基に正確な情報を発信し風評被害の防止に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

 

〇山下農業委員会事務局長

 それでは、質問番号9番に係ります2回目のご質問、農作物に係ります風評被害に対する実態把握でございます。先ほど申しました令和4年2月28日付、要望書を受けまして、風評被害に対する実態把握につきましては、今年5月に当該地区の農業者等から情報収集、ヒアリング等を行いましたが、農業に関連する風評被害の話は確認できませんでした。

 しかし、先ほど委員からお示しのありました事例もございますことから、引き続き農業従事者等から情報収集を行い、当該地区の風評被害の実態把握に努めてまいります。以上です。

 

〇松本暁彦委員

 8番目、風評被害です。これは不動産に関する風評被害の懸念の声が上がっていることは認識をいたします。私も実際にお聞きをしております。

 また風評被害の防止についても理解をいたしました。風評被害の防止は早期から努めていかなければならないと考えております。環境省資料の風評問題のメカニズムとその対策からは、風評被害の段階論としてプロセス4では、払拭できない神話が事実化し、定着するといいます。数年かけて、そしてマスコミ等の周知も相まって、風評問題が事実化、すなわち固定化するというものです。

 例えば米の全量全袋の検査を行い、放射性物質は検出限界値以下と確認されていても、その周知度合いなどもあって、その検査を知らない方からは福島県産を忌避されているそうです。

 繰り返すようですけれども、PFOA問題に加えて風評被害という二重の被害を地域や生産者にもたらすことは決してあってはならないと考えます。風評被害の固定化は必ず防止しなければなりません。要望とさせていただきます。

 農業委員会です。農作物に関してまだ風評被害が広がっていない状況であると理解をいたしました。今後も風評被害が広がらないよう、環境政策課と連携して取り組む必要があると考えます。

 風評被害の拡大を懸念する中で地域から私にも質問がありました。低出生体重児、発がん性などの健康被害の可能性についてです。市が行った情報提供は客観的にも事実でも行き過ぎた不安感を鎮め、その風評被害拡大防止に少なからず寄与したものと考えます。地域が極度な不安に陥る前に風評被害拡大を抑えようとしたことは適切であると考えております。

 この件で健康に関することは、特に慎重にすべきものです。例えば、低出生体重児に関して、アメリカのデュポン社での飲料水汚染に関して調査をされたC8サイエンスパネルです。こちらでは高コレステロール、潰瘍性大腸炎、甲状腺 疾患、精巣がん、腎臓がん及び妊娠誘発性高血圧症のC8、PFOAばく露との推定関連があると結論づけられておりますけれども、早産または低出生体重児との間には推定上の関連性はないとされております。

 また、そのデンマーク国内出生コホート内研究での妊婦におけるPFOS及びPFOAの血漿レベルと乳児の出生時体重及び妊娠期間との関連を調査したものがあります。母親の血漿PFOAレベルと出生時体重との間に逆相関があることは示唆されているものの、早産または低出生体重児のリスクと関連していなかったとされております。

 ただ、これは食品安全委員会、ファクトシート、パーフルオロ化合物に記載されている一文では、英国健康保護庁HPAで、2009年にラットの二世代繁殖毒性試験を行って、1日当たり体重キログラム当たり30ミリグラムのPFOAを投与したと。親世代の生殖への影響は見られなかったが、F1、つまり1世代目で、動物の生存率低下、そしてF1及びF2、二世代目の動物の体重低下が観察されたとされております。

 国の水道水の暫定目標値が今1リットル当たり50ナノグラム、これは50キログラム体重の人が、1日当たり100ナノグラム摂取しても問題ない数字です。それから見ると30ミリグラム、すなわち1日当たり300万ナノグラムという摂取量は、この摂津市では普通に生活していれば、まずあり得ないことであります。動物実験から見れば確かに低出生体重リスクはあると言えますが、リスク内容の中には雲泥の差、あるいはいろいろな意見が存在しております。

 PFOAに関しては不確定なことが多く、様々な推測や考えがあるのは事実であります。そういうことについては議論を深め、国に対応を求めていく上で必要なことと思います。

 ただ、本市の飲料水は汚染されず、健康被害も現況把握されていない中で、それらをどう市民に伝えるべきかが一つ大事だと思います。繰り返しますが、不確定な情報によって地域に風評被害をもたらすことは許されるものではなく、風評被害からも市民を守らなければなりません。PFOAの存在だけで風評被害は起こりません。それを巡りどのような報道がなされ、あるいは広報物の媒体等が存在し、それを我々がしっかりと把握しないと風評被害は防止できません。

 今後、また要望書が上がってくるなど風評被害への懸念の声が上がれば、例えば、味生地区の一般の生産者等により詳細なアンケートを取るなど細かい実態調査が必要と思いますので、要望とさせていただきます。

 当然ながら、PFOAの問題の解決には実態解明が最終的には必要不可欠でございます。健康への影響も含めた調査については国へ行うよう要望を継続され、できる限り早期の実態解明を求めるよう、大阪府、そして国に継続的に働きかけ、また当該企業への取り組み推進もさらに促すように要望とさせていただきます。9番目は以上です。

 

(以上)

ダウンロード
令和3年度決算 民生常任委員会議事録2022.10.24
20221024minsei.pdf
PDFファイル 1.3 MB

 

②追記((2023/5/10)

 

1.国への意見書について

 

 摂津市議会の2023年第1回定例会において、国へ提出するための上記「PFOA等についての健康基準を速やかに定めるとともに健康影響調査及び疫学調査を求める意見書」(2023.3.28付)を、全員賛成で可決しました。

 

 PFOA問題では分からないことからくる不安を速やかに解消することが求められます。ただ慎重にすべきは、基準という重要な指標を先ずもって作成しなければならないという事です。基準が無い調査は成否が分かれ不安を加速化し、更なる混乱を引き起こすことが十分に予想されます。

 

 会派として、この意見書原案が提出された際には、他会派とも調整して表題に「健康基準を速やかに定めるとともに」を追記し、合わせて本文内に「風評被害」の文言も追記しました。

 

 少しでも早いPFOA対策が求められます。

 

 

 

2.議会質疑について

令和5年度予算 ~民生常任委員会 令和5年3月13日~

議事録(生活環境部・保健福祉部)

 

 同じく2023年第1回定例会では民生常任委員会にで予算審議も行われました。そこで、PFOA問題に関して所管する生活環境部環境政策課へ質疑が多々ありました。

 

 私も前の議員の質疑も踏まえて、総括的にやり取りを行いました。それは以下の通りです。

(全文はこちらをご参照ください。)

〇松本暁彦委員

 (略)

 続きまして、15番目、これも各委員からも議論がございました、PFOAについてということで、それぞれの状況についてはいろいろと理解をいたしました。

 PFOA対策重要なことは市民の不安解消PFOAの除去・敷地内からの漏出防止、そして、風評被害防止の大きく3点であろうと今私は考えております。しっかりとPFOA対策を行うことは市民の安心につながります。

 国、府、そして、当該企業と連携して着実に進めていくことが必要と考えますけども、令和5年度の取組、市としてどのような取組というのを総括的に、これまでの細かい議論がありました、総括的にお聞かせいただきたいなと思います。

(略)

 

〇香川良平委員長

 菰原課長。

 

〇菰原環境政策課長

(略)

 続きまして、15番目の質問、PFOAに関する令和5年度の市の取組についてでございます。

 PFOAの対応につきましては国から示された対応の手引書では、水環境の継続監視を行い、PFOA等の暫定的な目標値を上回っている飲用井戸所有者につきましては水道水の利用を促すよう、助言等を行うように記載されております。

 このうち、本市の役割はPFOA等の暫定的な目標値を上回っている飲用井戸所有者に水道水の利用を促すよう、助言等を 行うこととなりますが、水環境の継続監視を担う大阪府とも連携して、引き続き対応に当たってまいりたいと考えております。

 また、令和5年1月に設置されました、国のPFASに対する総合戦略検討専門会議の検討の事項に、これまで議論がございましたけども、国民への分かりやすい情報発信、リスクコミュニケーションの在り方がございます。その今後の予定として住民の不安に寄り添い、適切な情報発信を行っていく必要があるとQA集の作成が予定されております。

 QAの中にはPFOA等を含む水道水、井戸水を飲用してもよいものか、健康影響を把握するためにPFOA等の血液検査を受けるべきか等がございます。このようなQA集が示された場合には、風評被害の拡大と固定化を防ぐためにも本市のホームページからリンクを貼り、情報発信に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

(略)

 

〇香川良平委員長

 松本副委員長

 

〇松本暁彦委員

(略)

 15番、PFOAの件です。令和5年度の総括的な取組については理解をいたしました。国でPFOAのQ&Aを作成しているということです。それができれば速やかに市としてもホームページ等に掲載をして、周知をぜひしていただきたい。

 また、当該企業が矢板を設置することもお聞きをしております。少しでも迅速にされるよう、しっかりと働きかけを要望いたします。加えて政府が健康に関する指針も出されるよう国へ働きかけることも要望いたします。やはり指針がなければ本当に不安が残ってしまう。その不安が解消されないと市民にとっては非常に残念なことであります。しっかりとその対応が必要だと思います。

 引き続き市長も含めた市が一丸となって取り組まれ、令和5年度も対応されるようにお願いをいたします。これは要望といたします。

 

(以上)

 

 

 引き続き議会からもしっかりと対策を進めるよう提言して参ります。

 

 

 


 

③追記(2023/8/3)

 令和5年1月に環境省が設置した「PFASに対す る総合戦略検討専門家会議」の監修の下、「PFOS、PFOAに関するQ& A集」が添付のとおり作成され、環境省のホームページに掲載されています。

ダウンロード
PFOS、PFOA に関するQ&A集.pdf
PDFファイル 755.8 KB

 

④追記(2023/12/15)

 市政報告Vo.11にPFOA対策の現状を記載しました。

 ダイキン工業の遮水壁に係ることも掲載しています。

 

 

ダウンロード
2023年第3回定例会で、PFOA対策の現状について質疑しました。
国の動向、ダイキン工業の動向、市の動向等、それぞれ質疑しています。
2023.9.27➂PFOA対策の現状について.pdf
PDFファイル 393.8 KB

 

⑤追記(2024/4/15)

 

◎令和6年第1回定例会での質疑

 

令和6年第1回定例会(2024年2月20日~3月27日)の代表質問で「PFOA対策」の進捗状況について質疑しました。

 

今回は代表質問ということで、自民党・市民の会を代表して、光好議員が質疑を行いました。

 

その概要は下記の通りです。

 

~質疑項目「PFOA対策について」~

 

◎市の答弁(抜粋)

1.市長は令和6年2月に上京し、環境省等に対策を要望。(これまでも幾度も上京しています。)

2.令和5年1月から環境省は、2つの専門家会議を立ち上げ、同年7月に「PFOS、PFOAに関するQ&A集」を作成した。

3.令和6年2月に内閣府食品安全委員会において、「PFASの健康影響に関する評価書(案)」をとりまとめている。

4.令和5年度から農林水産省では5年間にかけ「農産物中PFASの分析法の確立、農地土壌、水等からのPFAS移行特性の解明」をテーマとした研究が行われている。

4.大阪府が主宰する神崎川水域PFOA対策連絡会議において水環境の継続監視を行う大阪府と連携する。

5.令和5年11月からダイキン工業は、恒久的な流出防止策として遮水壁の工事に着手。

6.市は風評被害防止の観点からも国等から得られた確かな情報の発信に努める。

 

◎市の答弁より「PFASの健康影響に関する評価書(案)」について

1.評価書(案)では、生涯にわたり毎日摂取し続けても影響が出ないと考えられる耐容一日摂取量(TDI)として、PFOA,PFOSともに体重1kg当たり20ngが示され、例えば体重50kgの方であればTDIは1,000ngとなる。

2.現時点の情報は不足しているものの、通常の一般的な国民の食生活から食品を通じて摂取される程度のPFOS及びPFOAによっては、著しい健康影響が生じる状況にはないものと考える。

3.評価書(案)は現在パブリックコメント中であり、評価書として定まれば市のホームページからリンクしていきたい。

 

 

◎会派として、市への要望について

1.市民の不安解消のためPFOA対策を着実に進めるよう要望。

2.風評被害防止にも図られるよう要望。

 

 

⇒PFOA問題は長期的な課題です。

 健康影響や農作物等の土壌の調査など詳細解明が不安解消となり、

 また土壌への浸透防止も重要です。

 

 そして風評被害防止も重要です。不安を過度に煽ることのないよう冷静に、しかしして着実に進めなければなりません。 

 

 引き続き、PFOA対策について議会からも進めて参ります

 

 

ダウンロード
PFOS、PFOA に関するQ&A集 (2023.7月時点).pdf
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(案)評価書 有機フッ素化合物(PFAS).pdf
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【関連記事】

◎朝日新聞デジタル

  PFASが住民の血液から検出 大阪府の459人を市民団体が分析 [大阪府]

 村井隼人 2024年4月1日

 ダイキン工業(本社・大阪市)の淀川製作所(大阪府摂津市)周辺で有機フッ素化合物(総称PFAS(ピーファス))が検出された問題で、市民団体が住民らの血液を調査し、その中間結果を31日に発表した。(略)

 

⇒ 摂津市はこれまでの議会にて、市民のPFOA等の血中濃度調査の要望に対して、国のPFOA等の健康に与える影響が明確化されること、健康への基準設定がまずもって必要と答弁しています。

 健康への影響や基準等が明確化しなければ、血中濃度に対する正確な判断ができないからです。ややもすれば間違った解釈をもたらし、むしろ誤った処方を導きかねず、慎重さが求められるところです。

 そのため議会でも国への「PFOA等についての健康基準を速やかに定めるとともに 健康影響調査及び疫学調査を求める意見書」を令和5年3月28日に可決しています。

 

 


 

⑥追記(2024/4/26)

① 免疫疾患におけるPFASの免疫抑制及び免疫促進影響の解明に向けた実験的検証

② PFASsの規制に関わる優先付け及び合算評価に資する遺伝子発現解析による有害性評価法の開発

③ 毒性影響・毒性発現機序・種差を考慮したPFASの包括的な健康影響解明:環境疫学ー毒性学融合研究

 

 環境省はPFASの有害性やその定量的な把握手法に関する研究の推進に力を入れ始めました。ただし、研究期間はいずれも令和6年度から令和8年度であり、多少時間がかかるようです。

 

 それでも我々が要望している健康に関する解明が進められるとの事ですので、成果が期待されます。

 


 

⑦追記(2024/7/5)

 

 食品安全委員会では、「有機フッ素化合物(PFAS)」の健康影響について、令和6(2024)年6月25日に開催した第944回食品安全委員会において評価書をとりまとめました。

 その概要は下記の通りです。

 

 下記図は評価書概要から抜粋したものです。

ダウンロード
有機フッ素化合物(PFAS)の食品健康影響評価について2024.6.25.pdf
PDFファイル 1.3 MB

 「PFOS及びPFOAの摂取と健康影響の関連について、動物試験・疫学研究から得られた科学的知見を、一つ一つ精査した結果、活用可能な根拠として、PFOS及びPFOAの動物試験でみられた出生児への影響が挙げられました。」という記載があります。ただし、高用量でみられた動物試験の結果であり、疫学研究でみられた出生時体重の低下とは分けて考えることが適当とされています。

 

 また、耐容一日摂取量(TDI)として、 PFOS 20 ng/kg体重/日(2×10-5 mg/kg体重/日)、 PFOA 20 ng/kg体重/日(2×10-5 mg/kg体重/日)が挙げられました。

 

 

 

 食品安全委員会にてリスク評価が行われました。今後についてはリスク管理をどう具体化していくのかが大きく問われます。

 

 

 

 


 

⑧追記(2025/8/30)

2024年8月、環境省はPFOS・PFOAに関するリーフレットを作成しました。上記がそのリーフレットになります。

ご参考下さい。

 

 引用元:環境省「PFASに対する総合戦略検討専門家会議(第5回)議事次第・配付資料

 

 またリーフレット以外にも、第5回専門家会議では、『「PFASに関する今後の対応の方向性」 を踏まえた対応状況について』等の資料があります。

 

 この「対応状況」についてでは、左写真のように自治体における健康状態の把握等に関する対応事例として、吉備中央町の内容を記載しており、データからはPFOS及びPFOAのばく露を反映する形で有病割合比が増加している傾向は観察されない、と記載されています。

 

 吉備中央町の状況、そして本市の状況を踏まえて、健康影響に関しては風評被害も鑑みて改めて慎重に対応する事が求められると考える次第です。

 

 


 

⑨追記(2025/1/23)

 

◎令和6年第4回定例会での質疑

 

令和6年第4回定例会(2024年12月2日~12月20日)の一般質問で「PFOAに関する研究等の進捗について」を質疑しました。

 

その概要は下記の通りです。

 

質疑における市答弁(要約)

 

1.令和6年6月25日、内閣府食品安全委員会は食品健康影響の指標は、耐用一日摂取量(TDI)として、PFOA、PFOSともに、体重1kgあたり20ngと設定することが妥当であると判断された。

 

2.環境省では、「PFOS・PFOAに係る水質の目標値等の専門家会議」を令和6年7月17日に開催し、まず飲用曝露防止の観点から水道水の目標値の取り扱いについて論点整理を開始した。

 

3.「吉備中央町健康影響対策委員会」の報告書において、町からの依頼を受けた岡山大学大学院が実施した健康影響に関する評価結果では、特定健康診査、後期高齢者等健康診査及び低出生体重・早産についてのデータの分析を実施し、全項目とも、PFOS・PFOAの曝露を要因として、対象の地区において有病割合比が増加している傾向は観察されていないとの報告がなされた。

 

4.通常の一般的な国民の食生活から食品を通じて摂取される程度のPFOS及びPFOAによっては、著しい健康影響を生じる状況にはないものと考えられる。

 

5.今回得られた分析結果のうち最も高い濃度を示した汚泥肥料を用いて生産された農作物を毎日食べ続けた場合であっても、現在得られている知見の基での試算では、食品安全委員会が示した耐用一日摂取量を超過する事は無い

 

6.市は、環境省がQ&A集の内容を更に平易に説明したリーフレットを窓口に配架し、市民とのリスクコミュニケーションのツールとして活用しております。

 

7.市は、国から得られる確かな情報を基に、適切な情報発信に努めてまいる

 

 

⇒私は上記質疑を踏まえて、市に対して、引き続き市民の不安解消のためPFOA対策を着実に進められるよう、そして風評被害防止にも図られるよう要望を行った。

 

ダウンロード
議事録
2024.12.20③PFOAに関する研究等の進捗等について.pdf
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⑩追記(2025/1/27)

〇記事の紹介

 

【PFASの健康リスクは小さい】誤解続く環境汚染と健康リスクの違い―最新の科学と報道の乖離

 Wedge ONLINE 唐木英明( 東京大学名誉教授)2025年1月23日

 

(略) 安全を確認するのは科学であり、安心と不安を作り出すのは情報である。PFASについては科学と情報の乖離が大きいことから、その健康影響は感情ではなく科学に基づいて合理的な判断をすべきと1年前に「高まる不安、広がる誤解 化学物質PFAS報道の裏側」で提言した。(略)

 あるテレビ番組はこの評価について「健康リスクとPFASの関連を示す証拠が不十分だとしていて、評価は定まっていない」と述べた。「まだ分かっていないから怖い」という誤解を作り出す間違ったコメントである。食品安全委員会は多くの論文を集めて検討し、実験動物の出生時体重については関連があるが、それ以外はないことを明らかにしているのだ。(略)

 「PFASの健康影響は感情ではなく科学に基づいて合理的な判断をすべき」という1年前の提言を繰り返さなくてはならない状況が続いていることは非常に残念である。

 

 

 


 

⑪追記(2025/4/28)

〇環境省資料「PFASハンドブック」の紹介

 

ダウンロード
環境省PFASハンドブック.pdf
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⑫追記(2025/7/16)

 

1.令和7年第2回定例会での質疑

 

令和7年第2回定例会(2025年6月13日~6月27日)の一般質問で「PFOA対策の推進状況について」を質疑しました。

 質疑内容は、PFOA対策の国の進捗状況、国の「環境研究総合推進費」の終了研究成果の内容、岡山県吉備中央町の健康影響への見解、アメリカの規制緩和等についてです。

 

質疑概要(市答弁抜粋)

1.環境省は、水道事業者等に対して検査・基準遵守を義務付ける水道水質基準として、PFOS及びPFOAの合算値で暫定目標値と同じ、50ng/L以下で、令和8年4月1日からの規定見込みである。

 

2.環境省は、環境研究総合推進費を用いて「土壌・水系における有機フッ素化合物類に関する挙動予測手法と効率的除去技術の開発」をテーマとする研究が行われ、研究には沖縄県嘉手納飛行場周辺と本市の土壌が用いられ、このたび、その成果が公表された。

 

3.岡山県吉備中央町は血中濃度と健康指標の関連について、現時点では、PFOAでは明らかに関連する指標は認められないとの暫定的な見解を示している。

 

4.アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)は、2025年5月14日、PFOS及びPFOAについて、それぞれ4ng/L以下とする飲み水の濃度基準の本格導入時期を2029年から2031年へ先送りすると発表されております。

 

ダウンロード
2025.6.28③POFA対策の推進状況について.pdf
PDFファイル 360.6 KB

 

2.岡山県吉備中央町の健康影響調査に関する状況について

 岡山県吉備中央町では、PFOAの血液検査と健康影響に関する調査が行われており、本年5月に中間分析の結果が公表され、血中濃度と健康指標の関連について、現時点では、PFOAでは明らかに関連する指標は認められないとの暫定的な見解を示しています。

 ここで改めて、どのような状況なのでしょうか。

 「経緯」

 2024年10月、円城浄水場の水から国の暫定目標値(1リットルあたり50ナノグラム)を大幅に超えるPFASが検出されたことが発覚しました。、具体的には暫定目標値 50ng/L を超える 1,400ng/L が検出されたとのことです。

引用「円城浄水場有機化合物検出について (10月17日報道発表)

 なぜ浄水場の水が汚染されていたのかは、下記ファイル「河平ダム等におけるPFOS及びPFOAの 暫定指針値超過事案に関する報告書R6.9.5」を参照下さい。

 

 上記表は、2024年11月25日から2024年12月8日までに円城浄水場有機フッ素化合物検出に伴う血中濃度検査を受けられた住民709人の集団データの解析結果です。(吉備中央町HPより)

 血液検査結果として、平均1ミリリットルあたり151.5ナノグラム(151.5ng/ml)のPFASを検出。PFOAでは最大で1ミリリットルあたり718.8ナノグラム(718.8ng/ml)を検出しています。

 左写真は、岡山大学による円城浄水場有機フッ素化合物等の検出に関する健康影響調査暫定結果報告に記載されている「暫定結果のまとめ」です。

 血中濃度と血液中健康指標との関連では、明らかにPFOAと関連する血液検査の指標は認められないが詳細な検討が必要、とのことです。

引用「円城浄水場健康影響に関する住民説明会 - 有機フッ素化合物(PFAS)検出に関する情報 - 吉備中央町ホームページ

 

 

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円城浄水場有機化合物検出について.pdf
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ダウンロード
河平ダム等におけるPFOS及びPFOAの 暫定指針値超過事案に関する報告書R6.
PDFファイル 5.4 MB
ダウンロード
円城浄水場有機フッ素化合物等の検出に関する健康影響調査暫定結果報告.pdf
PDFファイル 340.3 KB

【参考】

 米国での汚染された飲料水によるPFOA曝露について

 108人の参加者で構成されていました。血清PFOA濃度は0.9~4751.5μg/Lの範囲であり、中央濃度は75.7μg/L(平均±SD±177.3~499.7μg/L)であった。」 (75,7μg/L=75.7ng/ml)

 ⇒ 詳細はこちらへ「PFOAについてアメリカ等での調査・論文等


 

⑬追記(2025/10/12)

 

◎PFOAと間質性肺炎の関連について

 

 ダイキン工業の淀川製作所(大阪府摂津市)周辺で有機フッ素化合物(総称PFAS(ピーファス))が検出された問題で、住民らの血液検査をしていた市民団体が23日、工場の元従業員ら5人血液からPFASの一種、PFOA(ピーフォア)が高濃度で検出され、うち3人に間質性肺疾患やその兆候がみられた、と公表した。(略)

 従業員のうち特に血中濃度が高かった5人は、PFOAを含む粉じんを吸い込みやすい環境で作業してきた。CT検査をしたところ、2人で肺の組織が硬くなる間質性肺炎を確認、1人で間質性肺疾患が疑われた。

 

 

〇 High serum perfluorooctanoic acid (PFOA) concentrations and interstitial lung disease in former and current workers in a fluorochemical company 

(フッ素化学会社の元従業員と現従業員における血清中のパーフルオロオクタン酸(PFOA)濃度の上昇と間質性肺疾患)

労働安全衛生総合研究所

【要約】

 2002年、摂津市にあるダイキン工業淀川製作所(DIYP)が阪神間地域の飲料水をPFOA(パーフルオロオクタン酸)で汚染した事件が発生し、2012年にPFOAの生産は完全に停止されました。2023年には、地域住民による自主的な血液モニタリングが一般住民1,182人を対象に実施されました。また、DIYPの元従業員および現従業員、そして摂津市の農業従事者に対しても血液モニタリングが実施されました。(略)

 血清PFOA濃度(数値:ng/ml:中央値(25~75パーセンタイル))は、元・現職労働者(N=7:192.6(23.3~596.6))>農業従事者(N=5:70.2(50.4~98.8))>一般住民(N=1182:5.0(3.3~7.0))の順で、有意差が認められました(略)

 調査の結果、元・現職労働者7人中5人がテトラフルオロエチレンの重合またはその粒子状物質の取り扱いによる粉塵に曝露した可能性が高く、3人が間質性肺疾患(ILD)の兆候を示していたことが判明しました。これは、PFOAを含んだ粉塵が排泄を遅らせ、ILDの一因となる可能性を示唆していますが、そのメカニズムの関連性は依然として不明であり、さらなる研究が必要です。

(P498)一部抜粋

1970年代から2010年代半ばまで、懸濁重合工程に従事していた男性労働者。

職場の粉塵の多さを認識しており、支給された防塵マスクを着用していた。しかし、生産現場から離れた事務所で作業する際は、マスクを外すことがあり、衣服に粉塵が頻繁に付着していた。2010年代半ばにDIYPを退職した後も、毎年健康診断を受けていた。2021年の胸部X線検査で、肺に結節性および顆粒性の陰影、胸膜変化が認められた。2022年に間質性肺炎の疑いと診断され、その後の検査で確定診断となった。2023年1月にCOVID-19と診断された。現在の症状は、頻繁な咳、痰の過剰、嗄声、体重減少である。 20~40歳の間に喫煙歴がありましたが、禁煙しました。

 

 

 

⇒ 上記の論文をもとに、PFOA間質性肺炎のリスクを取り上げるマスコミ等がありますが、本当にそうでしょうか?

 

 まずもって、論文では、メカニズムの関連性は不明としています。よって、PFOAと間質性肺炎の根拠として、相関関係の高さで関連性を示唆していることと思われます。

 

 まず、間質性肺炎とはどのようなものでしょうか。

 

 

〇 間質性肺炎

千葉大学病院

 間質性肺炎(間質性肺疾患)の分類としてガイドラインには以下のようなさまざまな病気が挙げられています。これをみてわかることは、間質性肺炎には多くの病気が含まれているということです。

 

1.異物の吸入によるもの: たばこの煙、カビ、ペットの毛、羽毛布団、粉塵・アスベストなどの吸入物質に長期間さらされていると徐々に肺の線維化が起こりえます。

 

2.自身の免疫細胞の異常によるもの(自己免疫性): 関節リウマチや多発筋炎・皮膚筋炎、シェーグレン症候群、強皮症、血管炎などの自己免疫疾患、肺サルコイドーシス、IgG関連疾患など

 

3.医療行為による副作用・合併症(医原性): 病院で処方される薬剤(特に抗がん剤、抗菌薬、抗不整脈薬など)の他に市販薬、漢方薬でも起こり得ます。サプリメントや健康食品の長期摂取によって発症したケースもあります。また、高濃度の酸素投与や放射線治療によっても間質性肺炎を引き起こすことが知られています。

 

4.感染症: 一部の特殊な感染症(マイコプラズマ・サイトメガロウイルスなど)でも間質性肺炎のパターンを呈することがあります。流行中の新型コロナウイルス(COVID-19)感染症でも間質性肺炎のパターンをとることが多いです。

 

5.その他、原因を特定できない間質性肺炎として、特発性間質性肺炎、肺サルコイドーシスなどがあります。

 

要旨:SARS-CoV-2 mRNAワクチン接種後数日経過して発熱、呼吸困難を自覚し間質性肺炎と診断された症例を経験した。間質性肺炎の既往がなく、ワクチン接種を契機に新規に発症した。ステロイドで改善したが、漸減中に再燃がみられた。mRNAワクチン接種後に間質性肺炎が新規に出現する可能性を示唆するものであり、ステロイド漸減中に再燃した点、発症後の比較的長期の経過を報告したものはないため重要な知見と考え報告する。

 

 

⇒ 上記の通り、間質性肺炎の原因は様々であり、喫煙、工場での粉塵、新型コロナウイルス感染症、そして新型コロナワクチン接種でもその可能性があります。

 

 

 

 次に、相関関係の高さで、それが原因といえるのでしょうか。その点を確認したいと思います。

 

 

(抜粋)

相関関係は必ずしも因果関係とはならない

 相関関係と因果関係を誤読してしまうのは、データ上では同様のものとして表示されてしまうからです。

②正しい因果関係を見つけるためのポイントは? 

 1.データの裏にある背景を考える。

 2.相関関係にある2つの要素以外にも関わる要素がないか考える。

 3.周辺のデータも合わせて確認する。

 4.十分なサンプルを用意する。

 

⇒ 相関関係は必ずしも因果関係とはならない。

 

 例えば、「ライターを持っている人が肺がんになる可能性が高い。」という相関関係の高さが見られても、それは「喫煙をする人が肺がんになる可能性が高い。」が正しい因果関係です。「喫煙をするからライターを持っている人が多い。」という事から相関関係が高くなったものです。

 よって、相関関係だけでは高くとも因果関係にはなりません

 

● 結 論

 上記論文は、PFOAと間質性肺炎の関連性についての事象は説明されているが、メカニズムは不明で、相関関係の高さで示唆しているというもののサンプル数も少なく、それだけでは因果関係があるとはいえないものです。

 むしろ間質性肺炎の原因として、実際に証明されている喫煙、粉塵、新型コロナウイルス感染症、新型コロナワクチン接種による可能性のほうが高い考えられます。

 

 現状では、PFOAに「間質性肺炎のリスクがある。」と言うのはまだまだ早い段階なのではないでしょうか。

 

 更なる研究が望まれます。

 

 

  


 

⑭追記(2025/11/14)

 

 摂津市議会2025年第3回定例会にて、私が作成し「保守・市民の会」として議会へ提出した大阪府への意見書「PFASによる健康影響の調査について速やかな実施を求める意見書」が10月29日の本会議にて、全会一致で可決されました。

 大阪府がリーダーシップを発揮され、本市とダイキン工業と連携して、血液検査等の疫学調査を行うことを要望するものです。

 

 分からないからと健康リスク・健康不安を過度に強調する方々が一部でおられる中、地域住民の不安解消には、むしろ血液検査(血中濃度と疾患の関係性の調査)を行って公式見解を出すことが適切と思う次第です。

 

 当初、私は血液検査に否定的な考えをもっていました。地域の方と話をし、各種論文、統計等を確認する中で地域での健康被害は見られないのが実態であり、冷静に経過観察すべきものと考えていました。

 しかしながら、不安というものは尽きぬものでした。特に不安を過剰に強調する方々がおられる中で不安は広がり、むしろ二重の被害を及ぼしかねないと感じるようになりました。PFOAでの健康被害が事実として不明(生じているのが認知されていない。)な中で、疾病があったとしてPFOAによるものと思い込み誤った医療処置を希望する(受ける)可能性が生じたり、あるいは精神的不安からの病気を招く可能性があるのです。それを防止するため、また地域の要望も踏まえ議会として動くべきと考えました。

 

 私が「幾度も分からないから煽るのではなく、分からないからこそ慎重にしなければならない。」と言っているのは、PFOAによる不安だけでなくそれ以外の二重の被害が生じるのを防止するためです。風評被害でも同様ですが、煽った方々は責任を取りません。ただただ地元地域の方々が苦しむだけです。それは避けなければなりません。

 POFAはあってはならないものであり、処置していかなければなりません。その歩みは止めてはいけません。かと言って健康被害リスクを過剰にあおることは適当ではありません。

 

 正しく知って正しく恐れる、これを議会から引き続き進めていきます。

 

 

ダウンロード
PFASによる健康影響の調査について速やかな実施を求める意見書2025.10.2
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(追記 2926.6.8)

 2026年3月末、私(副議長)と南野議長は大阪府へ赴き、当意見書に関して府の担当者方々と意見交換を行いました。

 地域が不安になっている状況について説明するとともに、府としても対策を推進されることと、ダイキン工業に対して大阪府からもより丁寧に住民対応するようにプッシュして頂きたいなどの要望を行いました。

 

 


 

追記(2025/12/24)

 内閣府食品安全委員会が、PFASワーキンググループを設置し、PFOAなどについて食品健康影響評価を行い、発がん性については、「PFOAについては腎臓がん、精巣がん及び乳がんと関連があるとの報告があるものの、結果に一貫性がなく証拠は限定的」とされました。

(略)

 本市では、精巣がん、乳房がん、腎がんの1975年から2020年までの摂津市域における罹患状況について、大阪国際がんセンターがん対策センターに分析を依頼しました。この分析は、PFOAとの関連性を示すためではなく、本市の健康状況の現状を把握することの一環として実施したものです。

摂津市及び大阪府におけるり患の性別推移を比較した結果は、次のとおりです。

 

全部位(男性)
診断年 摂津市 大阪府
  粗り患率 標準化り患比(SIR) 粗り患率
2016 906.4 1.05 937.7
2017 944.8 1.09 948.5
2018 869.7 1.00 942.0
2019 894.6 1.01 967.1
2020 886.3 1.06 901.3

 

全部位(女性)
診断年 摂津市 大阪府
  粗り患率 標準化り患比(SIR) 粗り患率
2016 641.8 1.06 650.8
2017 605.5 0.99 657.1
2018 601.5 0.97 660.5
2019 639.7 1.00 681.1
2020 673.2 1.12 642.5
精巣がん(男性)
  摂津市 大阪府
  粗り患率 標準化り患比(SIR) 粗り患率
1975~2020 1.5 0.73 1.9
乳房がん(女性)
  摂津市 大阪府
  粗り患率 標準化り患比(SIR) 粗り患率
1975~2020 57.1 0.96 64.0
腎がん(男性・女性)
  性別 摂津市 大阪府
粗り患率 標準化り患比(SIR) 粗り患率
1975~2020 男性 7.6 0.92 9.5
女性 4.0 1.10 4.1

 

 全部位、精巣がん、乳房がん、腎がんのり患状況は、大阪府とほぼ同等の粗り患率であり、大阪府を1とする標準化り患比をみても、大阪府と摂津市の間に大きな乖離はないとの分析結果でありました。

 

⇒ PFOAによる健康影響を把握する点では、一つの指標となりえるものです。

  PFOAで示唆されているものがんにおいて統計上、特異性は見られないということは以前からも指摘している通りです。

 

 


 

追記(2025/12/24)

 

 摂津市議会2025年第4回定例会にて、私が作成し「保守・市民の会」として議会へ提出したへの意見書「PFASによる健康影響調査等にかかわるガイドラインについて速やかな策定を求める意見書」が12月19日の本会議にて、全会一致で可決されました。

 国においてPFASの健康調査にかかわる血液検査を含む科学的手法等を定めることを要望し、また検査費用等の財政的支援を求めるものです。

 引き続き議会からもPFOA対策は進めていきます。

 

(追記2026.6.8)

 2026年2月、南野議長は上京して当意見書に関して国の担当者方々と意見交換を行い、地域の状況等について説明し、国としての対策を進めるよう要望しました。 

 

 

 


 

⑰追記(2026/6/8)

 

 エコチル調査における妊婦のPFASばく露と妊娠・出産時の事象との関連

令和8年1月20日(火)

名古屋市立大学・エコチル調査愛知ユニットセンター・国立研究開発法人国立環境研究所エコチル調査コアセンター

 

 愛知ユニットセンター(名古屋市立大学)の大学院生Joselyn Dionisio氏、伊藤由起准教授、上島通浩教授らの研究チームは、エコチル調査にご協力いただいた妊婦のうち約23,600人のデータを用いて、妊娠前期の母親の8種類の血中有機フッ素化合物(PFAS)※1濃度と14種類の妊娠・出産時の様々な事象※2の関連について解析しました。

 

 その結果、これら8種類の血中PFAS濃度が高い場合に10種類の事象(帝王切開分べん、子宮内胎児発育遅延、新生児合併症、胎児機能不全、前置胎盤、切迫流産、過期産、妊娠37週以降の前期破水、切迫早産、妊娠中体重増加の低下)または14種類の妊娠・出産時の様々な事象※2のいずれかの事象を1つ以上呈する割合が高いことが明らかになりました。また、複数のPFASへの同時ばく露を考慮した解析においても、同様の傾向が見られました。

 

 ただし、本研究結果のみをもって、PFASと上記10種類の事象との因果関係直接的に結論づけることはできません。その理由はPFAS以外の化学物質も含む複合的な影響については考慮できていないこと、いくつかの情報は自記式での回答によるものであり、思い出しバイアスがある可能性が考えられること、いくつかの事象においては、解析に十分なサンプルサイズがえられていないこと等が挙げられるためです。そのため、今後、さらなる研究が必要です。

 

 

 

「エコチル調査における妊婦のPFASばく露と妊娠・出産時の事象との関連」に関する Q&A

(抜粋)

〇内容は、著者の見解であり、環境省及び国立環境研究所見解ではありません。 

〇今回の解析では PFAS以外の化学物質、食事などの影響は考慮できておらず、この結果をもって統計学的に関連のあった事象がPFASによるものであると確定的に結論付けることはできません。特に、一部の事象の症例数は解析に十分とは言えず、より多くの対象者での再解析が必要です。

〇今回の結果から、8種類の血中のPFAS(PFOA, PFNA, PFDA, PFUnA, PFDoA, PFTrDA, PFHxS, PFOS)濃度を下げることで妊娠・出産経過時の様々な事象のリスクを減らすことができるとは言い切れません。帝王切開分べんや妊娠・出産経過における有害事象は、複数の要因が重なり合って起こります。そのため、PFASだけを気にするのではなく、まずは規則正しい生活習慣とバランスの良い食生活を心がけるようにしましょう。

 

 

※「エコチル調査」とは(環境省HP)

 環境省では、日本中で10万組の子どもたちとそのご両親に参加していただく大規模な疫学調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」を2011年より実施しています。

 「エコロジー」と「チルドレン」を組み合わせて「エコチル調査」です。

 赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時から定期的に健康状態を確認させていただき、環境要因が子どもたちの成長・発達にどのような影響を与えるのかを明らかにする調査です。

 エコチル調査の結果から、子どもの健康や成長に影響を与える環境要因を明らかにし、子どもたちが健やかに成長できる環境、安心して子育てができる環境の実現を目指していきます。

 

 

⇒新たな研究結果が発表されましたが、結論は、確定付けることはできず、さらなる研究が必要とのことです。

 統計分析には限界があろうかと思います。追記⑬のように相関関係だけでは正しいかは分かりません。

 やはり大事なことはメカニズムを解明することだと思います。

 ここまで研究されながら、なぜそれが解明されないのかむしろ不思議です。メカニズムが解明すれば許容量などもより科学的に示すことができるのでしょうけど、、、、、。

 更なる研究が望まれます。

 

 

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「エコチル調査における妊婦のPFASばく露と妊娠・出産時の事象との関連」に関する
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Ⅵ 関連リンク

 

1.摂津市環境政策課「有機フッ素化合物(PFOA、PFOSなど)について

 

2.大阪府 化学物質対策「有機フッ素化合物(PFOA等)

 

3.環境省HP「PFOS、PFOAに関するQ&A集」及び「PFASに関する今後の対応の方向性

 

4.内閣府食品安全委員会内閣府食品安全委員会:PFASワーキンググループ

 

5.ダイキン工業「PFOAに関する当社の取り組み