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旧三宅スポーツセンターと旧味舌小学校跡地の将来的な活用方法について


Ⅰ はじめに

 

 旧三宅スポーツセンター旧味舌小学校跡地は、現在、災害時の防災空地として位置付けられているものの、平時における将来的な活用方法については議論が十分になされず未定という状況です。

 そして、旧三宅スポーツセンターでは耐震化されていない校舎がそのままであり、また地域住民には方針が示されていない事への不安が生じています。

 そのため、今後の方向性等についてしっかりと検討する必要があるとして、議会で取り上げました。

 

 


Ⅱ 両施設跡地を巡る現状

 旧三宅スポーツセンター(左写真)は、平成25年10月から屋内運動場は隣接する子育て支援センターの遊戯室として活用がされ、一部の既存校舎と運動広場が利用されていいます。

 具体的には、耐震改修済みの教室で地域住民の方が体操をしたり、運動広場ではサッカー、野球、ソフトボールといったスポーツの実践の場として活用されています。

 また、コロナ禍で開催が不定期にはなっていますが、地元自治会のお祭りや、体育祭、防災訓練などにも幅広く活用されています。

 ただ、耐震化されていない建物が残っており、老朽化しているのは外側からも確認できる状況です。

 

 旧味舌小学校跡地(右写真)については、半分の土地は私立こども園と味舌体育館が建てられ、使用されています。そして課題となっているのが、残り半分です。

 これまでは味舌体育館建設工事の集積場等で使用され、体育館竣工後は、せっつ幼稚園の建て替え工事に伴う仮園舎として、令和5年の9月まで使用予定となっています。

 そして幼稚園の仮園舎の後の活用は未定という状況です。

 現在、旧三宅スポーツセンターと旧味舌小学校のいずれの施設跡地について、基本的に災害時における防災空地として位置づけられています。

 本市は、水害時に浸からないエリアが限られており、両跡地は、緊急時での避難先等の貴重な場所として認識されています。

 

 2019年の12月議会で旧三宅スポーツセンターを取り上げた際に市は、市は「旧三宅スポーツセンターのグラウンドは、地震災害時においては周辺住民の方の一時的な避難場所となり、子育て総合支援センター遊戯室は水害時には、安威川以南の浸水する地域の方々を受け入れる避難所となることから、地震、水害時において使用できる重要な施設である。」と答弁しています。

 

 詳細は2019年12月議会の議事録(下記リンク)をご参考下さい。

 【5 防災と地域の核となる旧三宅スポーツセンターの空間価値の重要性について

 

 有事での一定の方向性は決まっていますが、平時においては両施設跡地の将来的な活用方法については、現在のところ、定まっていません。市は、それぞれの地域の特性を勘案しながら、有効活用できる方策を検討するとしていますが、期限等は不明です。

 

 私は、早期に平時の将来的な活用について、検討すべきと議会で提言しました。理由としては、旧三宅スポーツセンターでは耐震化されていない校舎が取り残されるなど、地域住民にとっても方針が示されていないことで不安材料となっているからです。

 また、防災空地としていながらも倒壊するかもしれない建物の近辺や、雑草だらけで整地されていない場所は、防災空地としての安全性・利便性に問題があると考えています。本来であれば、防災空地としてもしっかりと整備すべきですが、その後の用途を定めなければ、予算を付けることができない状況なのです。

 

 


Ⅲ 将来的な活用方法について

 

 私は、両施設跡地は、シティプロモーションもかね、人を集める魅力とし、このまちに住みたいと思ってもらうための豊かな住環境に生かすべきと提言しています。

 

  ただし、旧三宅スポーツセンターは第一種中高層住居専用地域内で、旧味舌小学校跡地は第二種中高層住居専用地域内ということで、用途が限定されています。(左記写真参照)また、有事での防災空地と位置付けられているため、その空間を無くすこともできません。

 また、旧三宅スポーツセンターでは、地域コミュニティの場として活用されており、それを維持することも求められます。

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 そういった状況を踏まえ、例えばですが機能別公園が良いのではと考えています。

 

 旧三宅スポーツセンターは、耐震化された建物は残しつつ、未耐震の校舎を解体し、運動できるスペースを拡充し、駐車場も整備して、スポーツと健康増進の為の運動拠点となる公園とする。(右写真イメージ)

 当然ながら、地域コミュニティの場としても維持できます。

 

 旧味舌小学校跡地は芝生化し、一部は舗装化してキッチンカー等のイベント空間を作り、にぎわいを創出する公園とする。(左写真イメージ)

 平素は、近くの大学の学生さんや子育て中のお母さん方、味舌体育館で運動して、一休みしたい方々などが、ゆったりできる空間となり、休日ともなればキッチンカー等が来て、地域でのイベントとコラボして、人が集まる空間となる。

 

 そして両施設跡地ともに、防災空地としての安全性・利便性確保も図っていく。

 

 これらの取り組みは、人を呼び、そして周辺の価値向上にもつながり、空き家対策ともなる開発需要を促進し、税収増など長期的なメリットをもたらすものと考えます。

 

 有効な資産活用になります。

 

 


Ⅳ 議事録

 

 両施設跡地の将来的な活用方法について議会の一般質問で取り上げました。

 ご参照下さい。

 

2 旧三宅スポーツセンターと旧味舌小学校跡地の将来的な資産活用について

令和4年第3回定例会一般質問 ~本会議2日目 令和4年9月22日~ 議事録(抜粋)

○松本議員

 旧三宅スポーツセンターと旧味舌小学校跡地の将来的な資産活用について、それぞれの現在の活用状況等についてお聞かせください。

(略※)

 

○南野議長

 総務部長

 

○総務部長

 旧三宅スポーツセンターと旧味舌小学校跡地の現在の活用状況等についてのご質問にお答えいたします。

 旧三宅スポーツセンターにおいては、耐震改修済みの教室で地域住民の方が体操をしたり、運動広場ではサッカー、野球、ソフトボールといったスポーツの実践の場として活用されております。また、コロナ禍で開催が不定期にはなっておりますが、地元自治会のお祭りや、体育祭、防災訓練などにも幅広く活用されております。

 旧味舌小学校跡地につきましては、これまでは味舌体育館建設工事が進められておりましたが、竣工後は、せっつ幼稚園の建て替え工事に伴う仮園舎としまして、令和5年の9月まで使用予定となっております。

(略※)

 

○松本議員

 次に旧三宅スポーツセンター等について、現況は理解しました。

 昔、一部では厳しい財政の為、売却という考えもあったと認識していますが、森山市長のリーダーシップの下、健都等で財政状況は好転し、以前とは状況が大きく変わっています

 改めて、両施設跡地の将来的な活用についてどうお考えかお聞かせください。

 

○南野議長

 総務部長

 

○総務部長

 現在、いずれの施設跡地につきましても基本的には災害時におきまして防災空地として位置づけております。平時におきましてはそれぞれの施設跡地におきまして、一定の活用がなされてはおりますが、将来的な活用方法については、現在のところ、定まってはおりません

 それぞれの地域の特性を勘案しながら、有効活用できる方策を検討してまいりたいと考えております。

 

○南野議長

 松本議員。

 

○松本議員

 検討してまいるとのことですけども、旧三宅スポーツセンターでは耐震化されていない校舎が取り残されるなど、地域住民にとっても方針が示されていないことで不安材料となっています。

 早期に平時の将来的な活用について、検討すべきではないでしょうか。どうお考えかお聞かせ下さい。

 

○南野議長

 総務部長

 

○総務部長

 三宅の方につきましては、ご指摘の通りにおきましては、耐震化されていない建物と残っておる状況ではございますが、平成25年10月から屋内運動場は隣接する子育て支援センターの遊戯室として活用がされているものの、一部の既存校舎と運動広場の利用にとどまっているのが現状でございます。味舌小学校跡地におきましても仮園舎、幼稚園の仮園舎の後の活用は未定となっております。

 平時も含めた将来的な活用方法につきましては、具体的には定まっておりませんが、他市事例も参考にしながら、今後、庁内関係部署とも協議を行うなどして、検討を進めて参りたいと思います。

 

○南野議長

 松本議員。

 

○松本議員

 是非とも検討するよう要望致します。

 この両施設跡地は、シティプロモーションもかね、人を集める魅力とし、このまちに住みたいと思ってもらうための豊かな住環境に生かすべきです。

 例えば機能別公園として、旧味舌小学校跡地は芝生化し、一部は舗装化してキッチンカー等のイベント空間を作り、にぎわいを創出する公園として、旧三宅スポーツセンターは未耐震の校舎を解体し、スポーツと健康増進の為の運動拠点となる公園とする。そして防災空地としての安全性・利便性の確保も図っていく。

 これが周辺の価値向上にもつながり、空き家対策ともなる開発需要を促進し、税収増など長期的なメリットをもたらすものと考えます。

 この件は、JR千里丘駅西地区再開発と同様に、特に市長のリーダーシップが求められます。市長、ご検討を宜しくお願い致します。

 

 (以上)

 

(音声データ等より作成)

重要と思われる部分には強調を入れています。

※当該質問に関係のない他の質問項目の部分は省略しています。

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2022.9.22②旧三宅スポーツセンターと旧味舌小学校跡地の将来的な資産活用に
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Ⅴ まとめ

 

 両施設跡地は、学校の統廃合の関係によるものです。地域でも議会でも激しい議論が交わされたとお聞きしています。当然ながら反対運動もありました。

 

 それから月日が経ち、一部では有効活用されていますが、残る部分では有事における防災空地として位置づけられたものの、平時での活用については明確な方向性は示されていない状況です。

 

 そろそろ、議論すべき時です。

 

 地域の方、そして市民の方に有効に活用してもらう、その方法についてしっかりと検討するよう、引き続き議会にて提言して参ります。

 

 


Ⅵ 関連リンク